虎屋文庫:和菓子だより
虎屋文庫が考えたお菓子の見本帳
虎屋文庫50周年記念!「和菓子の〈はじめて〉物語」展(10月1日~11月23日)にて実物をご覧いただけます 虎屋文庫50周年の特別企画として、スタッフが思い思いにお菓子を考案しました。虎屋文庫への想いや古典文学からの想起ほか、切り口はさまざま。菓銘と意匠による見立て、意外な素材の組み合わせなど、さまざまな発想から生まれたお菓子をお楽しみいただければ幸いです。 *いずれも空想のお菓子につきご紹介のみとなります。販売の予定はありません。 厄よけ宝珠 ふみのくら 水漬く白玉 書庫の秘密 マロングラッセ桃山 永久のきらめき 水仙蓬が嶋 八重垣姫 七色餅 営みのつづり 生々流転 未来の古典 厄よけ宝珠(やくよけほうじゅ)きんとん製 御膳餡入 古来、強い香りが邪気を祓うと信じられてきたことをふまえ、山椒・肉桂という和のスパイスを用いて、きんとんに仕立てています。紅色のそぼろが護摩焚きの炎や仏閣などに見られる火焔宝珠の文様を思わせるところから名づけました。 ふみのくら薯蕷製 白小倉餡入 「ふみのくら」は、たくさんの書籍や史料を納めた倉庫を意味する「文庫(ふみくら)」にちなんでつけた菓銘です。四角い薯蕷饅頭の中央に緑色の線を引き、下に花布(はなぎれ)*を思わせる紅色を施して、開いた本を表現しました。*花布…背表紙内側の上下に貼りつけた小さな布のこと 水漬く白玉(みづくしらたま)琥珀製 『万葉集』の防人(さきもり)歌「父母(とちはは)え斎(いは)ひて待たね筑紫(つくし)なる水漬く白玉採りて来までに」*に想を得ておつくりしました。 琥珀羹と道明寺羹を、透き通る海の浅瀬に、白小豆を白玉(真珠)に見立てています。*「父母よ、私の無事を祈り待っていてください 任期を終え、筑紫(現在の福岡県)の真珠を採って帰ってくるまで」の意 書庫の秘密(しょこのひみつ)煉製 虎屋文庫の書棚に古い帳簿や書籍がぎっしり並んでいるさまを見ると、書庫が何か菓子の大発見につながる秘密を抱えているかのように感じます。和菓子の化身が住んでいて、史料を守っているのかもしれません。 マロングラッセ桃山(マロングラッセももやま)桃山製 栗餡きざみマロングラッセ入 とらやパリ店にちなみ、フランスの方にも馴染み深い焼菓子として考案しました。洋酒の香りと栗のつぶつぶとした食感が楽しめます。パリ、創業の地・京都、そして東京……とらやゆかりの三都市の名を入れて仕上げました。 永久のきらめき(とわのきらめき)琥珀製...
虎屋文庫が考えたお菓子の見本帳
虎屋文庫50周年記念!「和菓子の〈はじめて〉物語」展(10月1日~11月23日)にて実物をご覧いただけます 虎屋文庫50周年の特別企画として、スタッフが思い思いにお菓子を考案しました。虎屋文庫への想いや古典文学からの想起ほか、切り口はさまざま。菓銘と意匠による見立て、意外な素材の組み合わせなど、さまざまな発想から生まれたお菓子をお楽しみいただければ幸いです。 *いずれも空想のお菓子につきご紹介のみとなります。販売の予定はありません。 厄よけ宝珠 ふみのくら 水漬く白玉 書庫の秘密 マロングラッセ桃山 永久のきらめき 水仙蓬が嶋 八重垣姫 七色餅 営みのつづり 生々流転 未来の古典 厄よけ宝珠(やくよけほうじゅ)きんとん製 御膳餡入 古来、強い香りが邪気を祓うと信じられてきたことをふまえ、山椒・肉桂という和のスパイスを用いて、きんとんに仕立てています。紅色のそぼろが護摩焚きの炎や仏閣などに見られる火焔宝珠の文様を思わせるところから名づけました。 ふみのくら薯蕷製 白小倉餡入 「ふみのくら」は、たくさんの書籍や史料を納めた倉庫を意味する「文庫(ふみくら)」にちなんでつけた菓銘です。四角い薯蕷饅頭の中央に緑色の線を引き、下に花布(はなぎれ)*を思わせる紅色を施して、開いた本を表現しました。*花布…背表紙内側の上下に貼りつけた小さな布のこと 水漬く白玉(みづくしらたま)琥珀製 『万葉集』の防人(さきもり)歌「父母(とちはは)え斎(いは)ひて待たね筑紫(つくし)なる水漬く白玉採りて来までに」*に想を得ておつくりしました。 琥珀羹と道明寺羹を、透き通る海の浅瀬に、白小豆を白玉(真珠)に見立てています。*「父母よ、私の無事を祈り待っていてください 任期を終え、筑紫(現在の福岡県)の真珠を採って帰ってくるまで」の意 書庫の秘密(しょこのひみつ)煉製 虎屋文庫の書棚に古い帳簿や書籍がぎっしり並んでいるさまを見ると、書庫が何か菓子の大発見につながる秘密を抱えているかのように感じます。和菓子の化身が住んでいて、史料を守っているのかもしれません。 マロングラッセ桃山(マロングラッセももやま)桃山製 栗餡きざみマロングラッセ入 とらやパリ店にちなみ、フランスの方にも馴染み深い焼菓子として考案しました。洋酒の香りと栗のつぶつぶとした食感が楽しめます。パリ、創業の地・京都、そして東京……とらやゆかりの三都市の名を入れて仕上げました。 永久のきらめき(とわのきらめき)琥珀製...
虎屋文庫の史料が彦根城博物館で展示されます
展示名:特別展「大名と菓子―百菓繚乱―」 会 期:2023年10月7日(土)~11月6日(月) 会期中無休 時 間:8:30~17:00 会 場:彦根城博物館 入場料:一般500円、小・中学生250円 展示品:元禄7年(1694)「諸方御用之留」、享保10年(1725)「御用留帳」、伝元禄11年(1698)「竹虎青貝井籠」【複製】、宝永4年(1707)「御菓子之畫圖」【複製】、徳川斉昭「菓子雛形 銘雪月花」「菓子雛形 銘秋の野」(左記は虎屋所蔵) お近くにお出かけの折は、ぜひご覧ください。 詳しくはこちらをご覧ください。 お問い合わせは彦根城博物館(0749-22-6100)までお願いいたします。
虎屋文庫の史料が彦根城博物館で展示されます
展示名:特別展「大名と菓子―百菓繚乱―」 会 期:2023年10月7日(土)~11月6日(月) 会期中無休 時 間:8:30~17:00 会 場:彦根城博物館 入場料:一般500円、小・中学生250円 展示品:元禄7年(1694)「諸方御用之留」、享保10年(1725)「御用留帳」、伝元禄11年(1698)「竹虎青貝井籠」【複製】、宝永4年(1707)「御菓子之畫圖」【複製】、徳川斉昭「菓子雛形 銘雪月花」「菓子雛形 銘秋の野」(左記は虎屋所蔵) お近くにお出かけの折は、ぜひご覧ください。 詳しくはこちらをご覧ください。 お問い合わせは彦根城博物館(0749-22-6100)までお願いいたします。
彦根城博物館での講演会「江戸時代の菓子文化」のお知らせ
彦根城博物館の特別展「大名と菓子―百菓繚乱―」(会期:2023年10月7日(土)~11月6日(月))記念講演会にて、虎屋文庫の中山圭子が、江戸時代の人々が親しんだ金つばやどら焼き、四季折々の風物を表現した上菓子ほか、菓子に関わる錦絵などについてお話しします。江戸時代の豊かな菓子文化の世界をお楽しみください。開催日:2023年10月21日(土)14:00~15:30会場:彦根城博物館 講堂受講料:400円定員:50名(事前申込制)お問い合わせ先:彦根城博物館(0749-22-6100)申し込み期間:9月15日(金)~10月6日(金)申し込み方法など、詳しくはこちらをご覧ください。
彦根城博物館での講演会「江戸時代の菓子文化」のお知らせ
彦根城博物館の特別展「大名と菓子―百菓繚乱―」(会期:2023年10月7日(土)~11月6日(月))記念講演会にて、虎屋文庫の中山圭子が、江戸時代の人々が親しんだ金つばやどら焼き、四季折々の風物を表現した上菓子ほか、菓子に関わる錦絵などについてお話しします。江戸時代の豊かな菓子文化の世界をお楽しみください。開催日:2023年10月21日(土)14:00~15:30会場:彦根城博物館 講堂受講料:400円定員:50名(事前申込制)お問い合わせ先:彦根城博物館(0749-22-6100)申し込み期間:9月15日(金)~10月6日(金)申し込み方法など、詳しくはこちらをご覧ください。
宝永4年(1707)菓子見本帳
菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。 左から「袖の香」「有明」「うつら餅(鶉餅)」「濱ひさし」「花たちはな」「霜はしら」 虎屋文庫は1973年に創設、2023年2月で50周年を迎えました。虎屋文庫の数ある所蔵品の中でも、菓子見本帳は特に重要な史料の一つです。 今回ご紹介する宝永4年「御菓子之畫圖(おかしのえず)」は、元禄8年(1695)の「御菓子之畫圖」に次いで古い、年紀のわかる見本帳です。採録数は162点と元禄よりも増えており、最大の特徴は材料の記載があることです。この点において、見本帳では本史料が最古と考えられています。 いくつか挙げてみると、糯米(もちごめ)や小豆、白砂糖、栗といった現在でもよく使う材料のほかに、レンコンやキクラゲのような珍しいものもあります。これらの記載は、現在の菓子との比較にとどまらず、材料が用いられはじめた時期を知る手がかりにもなります。本史料の「氷室山(ひむろやま)」は、菓子に寒天が使われた最も古い例です。 材料に、寒天、氷砂糖、クチナシとある また、材料がわかると、食べたことがなくとも食感や味わいの想像が膨らみます。 一例として、「茄子餅(なすびもち)」を見てみましょう。当時の形状はややぽってりとして、かわいらしい印象です。うるち米の粉、小豆の粉、白砂糖と非常にシンプルな構成から、外良(ういろう)のような味わいが想像されます。絵図からも、その張りのある生地の質感や食感が伝わってくるようです。 現在の『なすび餅』 外良製 白餡黒ごま入 ※なお、機関誌『和菓子』10号には「江戸時代の絵図帳・製法書に見る菓子材料」と題した論考が掲載されています。
宝永4年(1707)菓子見本帳
菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。 左から「袖の香」「有明」「うつら餅(鶉餅)」「濱ひさし」「花たちはな」「霜はしら」 虎屋文庫は1973年に創設、2023年2月で50周年を迎えました。虎屋文庫の数ある所蔵品の中でも、菓子見本帳は特に重要な史料の一つです。 今回ご紹介する宝永4年「御菓子之畫圖(おかしのえず)」は、元禄8年(1695)の「御菓子之畫圖」に次いで古い、年紀のわかる見本帳です。採録数は162点と元禄よりも増えており、最大の特徴は材料の記載があることです。この点において、見本帳では本史料が最古と考えられています。 いくつか挙げてみると、糯米(もちごめ)や小豆、白砂糖、栗といった現在でもよく使う材料のほかに、レンコンやキクラゲのような珍しいものもあります。これらの記載は、現在の菓子との比較にとどまらず、材料が用いられはじめた時期を知る手がかりにもなります。本史料の「氷室山(ひむろやま)」は、菓子に寒天が使われた最も古い例です。 材料に、寒天、氷砂糖、クチナシとある また、材料がわかると、食べたことがなくとも食感や味わいの想像が膨らみます。 一例として、「茄子餅(なすびもち)」を見てみましょう。当時の形状はややぽってりとして、かわいらしい印象です。うるち米の粉、小豆の粉、白砂糖と非常にシンプルな構成から、外良(ういろう)のような味わいが想像されます。絵図からも、その張りのある生地の質感や食感が伝わってくるようです。 現在の『なすび餅』 外良製 白餡黒ごま入 ※なお、機関誌『和菓子』10号には「江戸時代の絵図帳・製法書に見る菓子材料」と題した論考が掲載されています。
虎屋文庫資料展 小冊子 昭和48年(1973)〜
菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。 虎屋文庫資料展 小冊子 さまざまなデザイン上段 左から、1988〜1989、1998〜2000、2001〜2003年下段 左から、2005〜2008、2009〜2019年 虎屋文庫は1973年に創設、2023年2月で50周年を迎えました。設立以来行ってきた取り組みのひとつに虎屋文庫資料展があり、今秋開催のもので81回となります。 その特色は「源氏物語と和菓子」展「和菓子百珍」展など和菓子をテーマにしていること、資料とともに必ず本物の和菓子を展示すること、そして、内容をまとめた小冊子を作成しご来場のお客様にお配りしていることです。 一例として2002年10月1日から31日まで開催した、「お菓子とお酒の大合戦」展の小冊子をご紹介しましょう。江戸の庶民が好んだ菓子と酒を擬人化して、合戦を繰り広げた、歌川広重作の錦絵、「太平喜餅酒多多買(たいへいきもちさけたたかい)」を取り上げた内容で、口絵に錦絵のカラー図版を綴じ込み、本文ではそれぞれのキャラクターのもととなった菓子や酒について解説しています。 口絵 キャラクターの図解とともに菓子の説明が書いてあるイラスト 森田ミホ 文章は、資料を調べながら主にスタッフが書きあげたもの。小冊子は、お客様にご活用いただくものと同時に、虎屋文庫の研究の成果でもあるのです。 次回の虎屋文庫資料展の小冊子はただいま鋭意作成中です。ぜひお楽しみに。 ※これまで開催した展示の小冊子のうち、在庫のあるものもございます。ご希望の方は虎屋文庫まで、お申し付けください。
虎屋文庫資料展 小冊子 昭和48年(1973)〜
菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。 虎屋文庫資料展 小冊子 さまざまなデザイン上段 左から、1988〜1989、1998〜2000、2001〜2003年下段 左から、2005〜2008、2009〜2019年 虎屋文庫は1973年に創設、2023年2月で50周年を迎えました。設立以来行ってきた取り組みのひとつに虎屋文庫資料展があり、今秋開催のもので81回となります。 その特色は「源氏物語と和菓子」展「和菓子百珍」展など和菓子をテーマにしていること、資料とともに必ず本物の和菓子を展示すること、そして、内容をまとめた小冊子を作成しご来場のお客様にお配りしていることです。 一例として2002年10月1日から31日まで開催した、「お菓子とお酒の大合戦」展の小冊子をご紹介しましょう。江戸の庶民が好んだ菓子と酒を擬人化して、合戦を繰り広げた、歌川広重作の錦絵、「太平喜餅酒多多買(たいへいきもちさけたたかい)」を取り上げた内容で、口絵に錦絵のカラー図版を綴じ込み、本文ではそれぞれのキャラクターのもととなった菓子や酒について解説しています。 口絵 キャラクターの図解とともに菓子の説明が書いてあるイラスト 森田ミホ 文章は、資料を調べながら主にスタッフが書きあげたもの。小冊子は、お客様にご活用いただくものと同時に、虎屋文庫の研究の成果でもあるのです。 次回の虎屋文庫資料展の小冊子はただいま鋭意作成中です。ぜひお楽しみに。 ※これまで開催した展示の小冊子のうち、在庫のあるものもございます。ご希望の方は虎屋文庫まで、お申し付けください。
『あじわい』誌の夏号に寄稿しています
虎屋文庫のスタッフが、全国銘産菓子工業協同組合発行『あじわい』にコラム「和菓子探検」を連載しております。今回はかき氷がテーマです。平安時代の『枕草子』に見える「削り氷」(けずりひ)の記述から、現在のかき氷機の話題まで、削り方に注目しながらその変遷を追いました。 https://www.ajiwai.or.jp/ *令和3年(2021)秋まで15回にわたって同誌で連載した「資料に見る和菓子」のバックナンバーもこちらよりご覧いただけます。
『あじわい』誌の夏号に寄稿しています
虎屋文庫のスタッフが、全国銘産菓子工業協同組合発行『あじわい』にコラム「和菓子探検」を連載しております。今回はかき氷がテーマです。平安時代の『枕草子』に見える「削り氷」(けずりひ)の記述から、現在のかき氷機の話題まで、削り方に注目しながらその変遷を追いました。 https://www.ajiwai.or.jp/ *令和3年(2021)秋まで15回にわたって同誌で連載した「資料に見る和菓子」のバックナンバーもこちらよりご覧いただけます。