虎屋文庫:和菓子だより
『あじわい』誌の新春号に寄稿しています
虎屋文庫のスタッフが、全国銘産菓子工業協同組合発行『あじわい』のコラム「和菓子探検」にて連載をしております。 今回は新春号ということで、鏡餅がテーマです。意外なことですが、かつては丸餅のうえに菱餅をのせていました。どのように飾っていたのでしょうか。下記からご覧いただけますので、どうぞご一読ください。 https://www.ajiwai.or.jp/ *令和3年(2021)秋まで15回にわたって同誌で連載した「資料に見る和菓子」のバックナンバーもこちらよりご覧いただけます。
『あじわい』誌の新春号に寄稿しています
虎屋文庫のスタッフが、全国銘産菓子工業協同組合発行『あじわい』のコラム「和菓子探検」にて連載をしております。 今回は新春号ということで、鏡餅がテーマです。意外なことですが、かつては丸餅のうえに菱餅をのせていました。どのように飾っていたのでしょうか。下記からご覧いただけますので、どうぞご一読ください。 https://www.ajiwai.or.jp/ *令和3年(2021)秋まで15回にわたって同誌で連載した「資料に見る和菓子」のバックナンバーもこちらよりご覧いただけます。
江東区深川江戸資料館での講演会「花のお江戸 和菓子めぐり」のお知らせ
常設展示室観覧料で参加いただける講演会「ふかえどカレッジ」にて、虎屋文庫の森田 環が、江戸の人々が親しんだ菓子や江戸の菓子屋についてお話しします。 開催日:2023年2月25日(土) 15:00~16:30 会 場:江東区深川江戸資料館 小劇場(2階) 参加費:400円(常設展示室観覧料) 定 員:先着200名(事前申込制・全席自由) お問合わせ先:江東区江戸深川資料館(03-3630-8625) 申し込み方法など、詳しくはこちらをご覧ください。
江東区深川江戸資料館での講演会「花のお江戸 和菓子めぐり」のお知らせ
常設展示室観覧料で参加いただける講演会「ふかえどカレッジ」にて、虎屋文庫の森田 環が、江戸の人々が親しんだ菓子や江戸の菓子屋についてお話しします。 開催日:2023年2月25日(土) 15:00~16:30 会 場:江東区深川江戸資料館 小劇場(2階) 参加費:400円(常設展示室観覧料) 定 員:先着200名(事前申込制・全席自由) お問合わせ先:江東区江戸深川資料館(03-3630-8625) 申し込み方法など、詳しくはこちらをご覧ください。
船橋名品羊羹双録 江戸時代末期頃
菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。 「船橋名品羊羹双録」(36.5㎝×50㎝) *画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。 年始には家族や親戚で集まり、双六(すごろく)などを楽しまれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、「船橋名品羊羹双録」をご紹介します。 この双六は、江戸時代後期に浅草雷門で繁盛した菓子店、船橋屋織江の四谷伝馬町店が制作したものです。右側には戯作者の仮名垣魯文による口上が書かれており、その最終行に「毎年正月御歳玉として右双六奉差上候」とあることから、お正月の景品として配られたことがわかります。 ふりだしは一番下のコマで、老若男女多くの人々が、船橋屋の店頭に集まる様子が描かれています。 「ふりだし」のコマ 上り(あがり)は中央で、七福神がにこやかな表情を浮かべながらお茶を楽しんでいる様子が見えます。 中央にある「上り(あがり)」のコマ 前列左から弁財天、恵比寿、大黒天、後列は寿老人、福禄寿、毘沙門天、布袋 左上に見える「別製 金玉糖」は当時の売り出し商品か 上りを取り囲む14個のコマに書かれているのは、なんとすべて羊羹!「小倉羹(おぐらかん)」「塩蒸羹(しおむしかん)」など比較的イメージしやすい味のほか、変わり種の「山葵羹(わさびかん)」、情緒ある「東雲羹(しののめかん)」「梅が香羹(うめがかかん)」「初音羹(はつねかん)」といった名前が見えます※。それぞれの羊羹にちなんだ俳句と絵も添えられています。 梅が香羹(右)は「梅一りん 一輪づつの あたたかさ」(服部嵐雪) 初音羹(左)は「鶯の身を さかさまに 初音哉」(宝井(榎本)其角) 名句や商品名が記されていることから、大人向けに宣伝を兼ねて作られたのでしょう。新春らしいおめでたい意匠や、描かれた人物の楽しそうな表情が印象的な双六です。 ※羊羹は「ふりだし」から時計回りに、小倉羹、八重成羹(やえなりかん)、塩蒸羹、枸杞羹(くこかん)、梅が香羹、初音羹、東雲羹、杢目羹(もくめかん)、雹かん(あられかん)、更紗羹(さらさかん)、山吹羹、柚かん(ゆずかん)、山葵羹、難波羹(なにわかん)。
船橋名品羊羹双録 江戸時代末期頃
菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。 「船橋名品羊羹双録」(36.5㎝×50㎝) *画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。 年始には家族や親戚で集まり、双六(すごろく)などを楽しまれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、「船橋名品羊羹双録」をご紹介します。 この双六は、江戸時代後期に浅草雷門で繁盛した菓子店、船橋屋織江の四谷伝馬町店が制作したものです。右側には戯作者の仮名垣魯文による口上が書かれており、その最終行に「毎年正月御歳玉として右双六奉差上候」とあることから、お正月の景品として配られたことがわかります。 ふりだしは一番下のコマで、老若男女多くの人々が、船橋屋の店頭に集まる様子が描かれています。 「ふりだし」のコマ 上り(あがり)は中央で、七福神がにこやかな表情を浮かべながらお茶を楽しんでいる様子が見えます。 中央にある「上り(あがり)」のコマ 前列左から弁財天、恵比寿、大黒天、後列は寿老人、福禄寿、毘沙門天、布袋 左上に見える「別製 金玉糖」は当時の売り出し商品か 上りを取り囲む14個のコマに書かれているのは、なんとすべて羊羹!「小倉羹(おぐらかん)」「塩蒸羹(しおむしかん)」など比較的イメージしやすい味のほか、変わり種の「山葵羹(わさびかん)」、情緒ある「東雲羹(しののめかん)」「梅が香羹(うめがかかん)」「初音羹(はつねかん)」といった名前が見えます※。それぞれの羊羹にちなんだ俳句と絵も添えられています。 梅が香羹(右)は「梅一りん 一輪づつの あたたかさ」(服部嵐雪) 初音羹(左)は「鶯の身を さかさまに 初音哉」(宝井(榎本)其角) 名句や商品名が記されていることから、大人向けに宣伝を兼ねて作られたのでしょう。新春らしいおめでたい意匠や、描かれた人物の楽しそうな表情が印象的な双六です。 ※羊羹は「ふりだし」から時計回りに、小倉羹、八重成羹(やえなりかん)、塩蒸羹、枸杞羹(くこかん)、梅が香羹、初音羹、東雲羹、杢目羹(もくめかん)、雹かん(あられかん)、更紗羹(さらさかん)、山吹羹、柚かん(ゆずかん)、山葵羹、難波羹(なにわかん)。
大津市歴史博物館で大津の菓子木型の展示開催
2022年、大津の菓子文化の実態を具体的に調査し、次の世代へと繋げていくことを目的に、産官学連携の「菓都大津」再興プロジェクトが発足しました。今回の展示では、研究成果の第一弾として、大津市内の菓子店や個人でご所蔵の多様な菓子木型や、今年度の研究活動内容などが紹介されます。 「木型で誘う菓都大津」 会 期:2023年1月6日(金)~22日(日) 休館日:1月10日(火)、16日(月) 時 間:9:00~17:00 会 場:大津市歴史博物館 1階エントランスロビー 観覧料:無料 主 催:立命館大学食マネジメント学部 鎌谷かおる研究室、大津市歴史博物館 後 援:立命館大学食マネジメント学部、立命館大学食総合研究センター、立命館大学BKCリサーチオフィス *本展は12月1日~16日に立命館大学びわこ・くさつキャンパスで開催された展示の巡回展です。2022年度立命館大学グラスルーツ・イノベーション・プログラム(GRIP)の研究成果の一部です。 詳しくはこちらをご覧ください。 お問い合わせは下記大津市歴史博物館までお願いいたします。 大津市御陵町2-2 TEL (077)521-2100 FAX(077)521-2666
大津市歴史博物館で大津の菓子木型の展示開催
2022年、大津の菓子文化の実態を具体的に調査し、次の世代へと繋げていくことを目的に、産官学連携の「菓都大津」再興プロジェクトが発足しました。今回の展示では、研究成果の第一弾として、大津市内の菓子店や個人でご所蔵の多様な菓子木型や、今年度の研究活動内容などが紹介されます。 「木型で誘う菓都大津」 会 期:2023年1月6日(金)~22日(日) 休館日:1月10日(火)、16日(月) 時 間:9:00~17:00 会 場:大津市歴史博物館 1階エントランスロビー 観覧料:無料 主 催:立命館大学食マネジメント学部 鎌谷かおる研究室、大津市歴史博物館 後 援:立命館大学食マネジメント学部、立命館大学食総合研究センター、立命館大学BKCリサーチオフィス *本展は12月1日~16日に立命館大学びわこ・くさつキャンパスで開催された展示の巡回展です。2022年度立命館大学グラスルーツ・イノベーション・プログラム(GRIP)の研究成果の一部です。 詳しくはこちらをご覧ください。 お問い合わせは下記大津市歴史博物館までお願いいたします。 大津市御陵町2-2 TEL (077)521-2100 FAX(077)521-2666
『vesta』128号「和菓子文化の魅力」に寄稿しています
味の素食の文化センター編集・発行の『vesta』第128号は、 I 和菓子文化の根源 Ⅱ 世界から見た和菓子 Ⅲ 和菓子の歴史 Ⅳ 和菓子の伝統と進化 の観点から、「和菓子文化の魅力」を探る興味深い内容です。Ⅲで元虎屋文庫研究主幹の青木直己氏が「近世後期における和菓子の展開」、虎屋文庫の主席研究員の中山圭子が「和菓子文化の華-17世紀にさかのぼる上菓子の特徴」について執筆しています。 詳しくは味の素食の文化センターのホームページほか、下記の紹介動画もあわせてご覧ください。 ロングバージョン(約10分)ショートバージョン(約1分) 『vesta』(食文化誌 ヴェスタ)第128号編集発行/味の素食の文化センター 販売/農山漁村文化協会2022年11月1日発行定価785円(税込)
『vesta』128号「和菓子文化の魅力」に寄稿しています
味の素食の文化センター編集・発行の『vesta』第128号は、 I 和菓子文化の根源 Ⅱ 世界から見た和菓子 Ⅲ 和菓子の歴史 Ⅳ 和菓子の伝統と進化 の観点から、「和菓子文化の魅力」を探る興味深い内容です。Ⅲで元虎屋文庫研究主幹の青木直己氏が「近世後期における和菓子の展開」、虎屋文庫の主席研究員の中山圭子が「和菓子文化の華-17世紀にさかのぼる上菓子の特徴」について執筆しています。 詳しくは味の素食の文化センターのホームページほか、下記の紹介動画もあわせてご覧ください。 ロングバージョン(約10分)ショートバージョン(約1分) 『vesta』(食文化誌 ヴェスタ)第128号編集発行/味の素食の文化センター 販売/農山漁村文化協会2022年11月1日発行定価785円(税込)
十代黒川光廣願文 文化11年(1814)
菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。 「十代黒川光廣願文」 (部分) *画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。 「願文(がんもん)」とは、神仏に願いごとを立てる時に書く文章のことで、虎屋には今回ご紹介する願文のほか、五代店主 光冨(みつとみ)、九代店主 光利(みつとし)のものが現存しています※。十代店主 黒川光廣(くろかわみつひろ)の願文は文化11年4月18日に書かれたもの。本文には、代々毘沙門天(びしゃもんてん)を信仰しており、その御加護によって、宮中の御用を勤めていることに対する感謝の気持ちから、屋号を「虎屋」としたことなどが記されています。毘沙門天は、福や財をもたらす七福神の一人。寅の年、寅の月、寅の日、寅の刻に生まれたといわれ、虎とゆかりが深いとされる神様です。当時、虎屋は苦しい経営環境にありました。光廣は経営努力とあわせて、毘沙門天の力を借りてこの難局を乗り切りたいと思っていたにちがいありません。 ※いずれも巻子本仕立てになっている。
十代黒川光廣願文 文化11年(1814)
菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。 「十代黒川光廣願文」 (部分) *画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。 「願文(がんもん)」とは、神仏に願いごとを立てる時に書く文章のことで、虎屋には今回ご紹介する願文のほか、五代店主 光冨(みつとみ)、九代店主 光利(みつとし)のものが現存しています※。十代店主 黒川光廣(くろかわみつひろ)の願文は文化11年4月18日に書かれたもの。本文には、代々毘沙門天(びしゃもんてん)を信仰しており、その御加護によって、宮中の御用を勤めていることに対する感謝の気持ちから、屋号を「虎屋」としたことなどが記されています。毘沙門天は、福や財をもたらす七福神の一人。寅の年、寅の月、寅の日、寅の刻に生まれたといわれ、虎とゆかりが深いとされる神様です。当時、虎屋は苦しい経営環境にありました。光廣は経営努力とあわせて、毘沙門天の力を借りてこの難局を乗り切りたいと思っていたにちがいありません。 ※いずれも巻子本仕立てになっている。