虎屋文庫:和菓子だより

歌舞伎座「花篭」での講座「漆器と和菓子のお話」開催のお知らせ
高杯・重箱・お椀・硯箱など、歌舞伎の舞台ではさまざまな漆器が使われているのをご存じでしょうか。このたび、「第一回~歌舞伎を楽しむ~ 漆器と和菓子のお話」と題して、歌舞伎座サービス株式会社主催の講座が開催されることになりました。今回の講座では漆芸家の奥窪聖美氏が漆の歴史や技法、その魅力について語ります。あわせて、虎屋文庫の中山圭子による高杯や井籠(行器)、和菓子についてのお話をお楽しみください。 開催日:2025年8月30日(土)15:00~17:00 講 師:奥窪 聖美氏(漆芸家) 中山 圭子(株式会社 虎屋 特別理事 虎屋文庫主席研究員) 会 場:歌舞伎座3階お食事処「花篭」 参加費:3,800円(税込・お菓子付) 定 員:50名(事前申込制・先着順)詳細・申し込みはこちらをご覧ください。
歌舞伎座「花篭」での講座「漆器と和菓子のお話」開催のお知らせ
高杯・重箱・お椀・硯箱など、歌舞伎の舞台ではさまざまな漆器が使われているのをご存じでしょうか。このたび、「第一回~歌舞伎を楽しむ~ 漆器と和菓子のお話」と題して、歌舞伎座サービス株式会社主催の講座が開催されることになりました。今回の講座では漆芸家の奥窪聖美氏が漆の歴史や技法、その魅力について語ります。あわせて、虎屋文庫の中山圭子による高杯や井籠(行器)、和菓子についてのお話をお楽しみください。 開催日:2025年8月30日(土)15:00~17:00 講 師:奥窪 聖美氏(漆芸家) 中山 圭子(株式会社 虎屋 特別理事 虎屋文庫主席研究員) 会 場:歌舞伎座3階お食事処「花篭」 参加費:3,800円(税込・お菓子付) 定 員:50名(事前申込制・先着順)詳細・申し込みはこちらをご覧ください。

『あじわい』No.227(2025 SUMMER)に寄稿しています
虎屋文庫のスタッフが、全国銘産菓子工業協同組合発行『あじわい』に「和菓子探検」を連載しております。 今回は、「注目!卵の和菓子」と題して、卵を用いた和菓子や、卵の造形のおもしろさを生かした菓子をご紹介しました。下記からご覧いただけますので、どうぞご一読ください。https://www.zenkokumeika.com/ajiwai/
『あじわい』No.227(2025 SUMMER)に寄稿しています
虎屋文庫のスタッフが、全国銘産菓子工業協同組合発行『あじわい』に「和菓子探検」を連載しております。 今回は、「注目!卵の和菓子」と題して、卵を用いた和菓子や、卵の造形のおもしろさを生かした菓子をご紹介しました。下記からご覧いただけますので、どうぞご一読ください。https://www.zenkokumeika.com/ajiwai/

久保田金僊筆「祇園祭長刀鉾」
菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。 7月の京都では、1ヶ月にわたり祇園祭のさまざまな行事が繰り広げられます。特に有名なのが豪華に飾られた山と鉾が、「エーンヤラヤー」のかけ声とともに都大路を巡行する山鉾巡行(やまほこじゅんこう)でしょう。 掛軸「祇園祭長刀鉾(ぎおんまつりなぎなたほこ)」は、巡行の先頭を行く長刀鉾の絵で、鉾の華麗な装飾品、鉾に乗った稚児、囃子方(はやしかた)、扇を持った音頭取りたちが、小さいながらも描き込まれています。 祇園祭長刀鉾(絹本着色 460×1990) 作者の久保田金僊(くぼたきんせん・1875-1954)は、京都出身の日本画家であり、百貨店の宣伝部長や舞台美術家としても活躍しました。 虎屋には、金僊から14代店主 黒川光景(くろかわみつかげ・1871-1957)に宛てた書状が何通か残されています。ユーモラスな自画像つきで菓子を贈ってほしいという依頼や、抹茶とともに菓子を楽しむ絵からは、菓子好きで、光景と親しい間柄であったことが感じられます。 自画像が描かれた書状 作品が虎屋に伝わったのも、このような交流が背景にあったのでしょう。祇園祭の時期には、店頭や床の間に飾られていたのかもしれません。 近年は主に京都地区で商品につけるタグや栞のデザインに取り入れられており、お祭の雰囲気を盛り上げています。 *画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までお知らせくださいませ
久保田金僊筆「祇園祭長刀鉾」
菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。 7月の京都では、1ヶ月にわたり祇園祭のさまざまな行事が繰り広げられます。特に有名なのが豪華に飾られた山と鉾が、「エーンヤラヤー」のかけ声とともに都大路を巡行する山鉾巡行(やまほこじゅんこう)でしょう。 掛軸「祇園祭長刀鉾(ぎおんまつりなぎなたほこ)」は、巡行の先頭を行く長刀鉾の絵で、鉾の華麗な装飾品、鉾に乗った稚児、囃子方(はやしかた)、扇を持った音頭取りたちが、小さいながらも描き込まれています。 祇園祭長刀鉾(絹本着色 460×1990) 作者の久保田金僊(くぼたきんせん・1875-1954)は、京都出身の日本画家であり、百貨店の宣伝部長や舞台美術家としても活躍しました。 虎屋には、金僊から14代店主 黒川光景(くろかわみつかげ・1871-1957)に宛てた書状が何通か残されています。ユーモラスな自画像つきで菓子を贈ってほしいという依頼や、抹茶とともに菓子を楽しむ絵からは、菓子好きで、光景と親しい間柄であったことが感じられます。 自画像が描かれた書状 作品が虎屋に伝わったのも、このような交流が背景にあったのでしょう。祇園祭の時期には、店頭や床の間に飾られていたのかもしれません。 近年は主に京都地区で商品につけるタグや栞のデザインに取り入れられており、お祭の雰囲気を盛り上げています。 *画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までお知らせくださいませ
国際基督教大学博物館湯浅八郎記念館公開講座「菓子木型の意匠」(オンライン)のお知らせ
国際基督教大学博物館湯浅八郎記念館にて開催中の特別展「食の器と道具」(~2025年6月20日)に関連して、虎屋文庫の中山圭子が、木型の歴史、意匠に込められた人々の祈りや願い、日本人の美意識などについてお話しいたします。演 題:「菓子木型の意匠」開催日:2025年5月17日(土) 14:00~15:30講 師:中山圭子(株式会社虎屋特別理事 虎屋文庫主席研究員)質疑応答・進行:ロバート・エスキルドセン氏(国際基督教大学博物館湯浅八郎記念館館長、国際基督教大学教授)会 場:オンライン(インターネットを通じて全国どこからでもご視聴いただけます)ウェブ会議サービス「ZOOM」(Webinar)を利用しての開催となります。※事前予約制。申し込みは国際基督教大学博物館湯浅八郎記念館ホームページ申込受付フォームより。参加費:無料
国際基督教大学博物館湯浅八郎記念館公開講座「菓子木型の意匠」(オンライン)のお知らせ
国際基督教大学博物館湯浅八郎記念館にて開催中の特別展「食の器と道具」(~2025年6月20日)に関連して、虎屋文庫の中山圭子が、木型の歴史、意匠に込められた人々の祈りや願い、日本人の美意識などについてお話しいたします。演 題:「菓子木型の意匠」開催日:2025年5月17日(土) 14:00~15:30講 師:中山圭子(株式会社虎屋特別理事 虎屋文庫主席研究員)質疑応答・進行:ロバート・エスキルドセン氏(国際基督教大学博物館湯浅八郎記念館館長、国際基督教大学教授)会 場:オンライン(インターネットを通じて全国どこからでもご視聴いただけます)ウェブ会議サービス「ZOOM」(Webinar)を利用しての開催となります。※事前予約制。申し込みは国際基督教大学博物館湯浅八郎記念館ホームページ申込受付フォームより。参加費:無料

梥本一洋筆「玉藻化生」昭和時代
菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。 「玉藻化生」(332×153cm) 「玉藻化生(たまものけしょう)」は、砂子を散らした地に、絵画5枚と短冊8枚を貼り交ぜた、屏風仕立ての作品です。玉藻の前(九尾の狐の化身)が調伏され、近づく者を殺してしまう石と化す能、「殺生石(せっしょうせき)」を題材にしています。絵画は梥本一洋(まつもといちよう・1893~1952)の筆で、短冊は歌人の吉井勇(よしいいさむ・1886~1960)によるものです。緑青、群青、金など鮮やかな絵具を用いて丁寧に描かれた絵画は、柔らかな筆跡の短歌との相性も良く、あやしげでありながら上品な雰囲気を醸し出しています。一洋は京都で活躍した日本画家で、虎屋十五代店主 黒川武雄と親しく、菓子のパッケージを描いたこともありました。「玉藻化生」は、2025年5月18日まで、虎屋 京都ギャラリーで展示しております。お近くにいらした際は是非ご覧くださいませ。 虎屋 京都ギャラリー 虎屋所蔵品展「ものがたり」【会期】2025年4月19日(土)~5月18日(日) 午前10時~午後5時 入場無料 ※休館日: 4月21日(月)・28日(月)、5月12日(月) 鳥羽院の寵愛を受ける才色兼備の玉藻の前 陰陽師によって玉藻の正体が見破られる 魂が乗り移った石(殺生石) *画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。
梥本一洋筆「玉藻化生」昭和時代
菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。 「玉藻化生」(332×153cm) 「玉藻化生(たまものけしょう)」は、砂子を散らした地に、絵画5枚と短冊8枚を貼り交ぜた、屏風仕立ての作品です。玉藻の前(九尾の狐の化身)が調伏され、近づく者を殺してしまう石と化す能、「殺生石(せっしょうせき)」を題材にしています。絵画は梥本一洋(まつもといちよう・1893~1952)の筆で、短冊は歌人の吉井勇(よしいいさむ・1886~1960)によるものです。緑青、群青、金など鮮やかな絵具を用いて丁寧に描かれた絵画は、柔らかな筆跡の短歌との相性も良く、あやしげでありながら上品な雰囲気を醸し出しています。一洋は京都で活躍した日本画家で、虎屋十五代店主 黒川武雄と親しく、菓子のパッケージを描いたこともありました。「玉藻化生」は、2025年5月18日まで、虎屋 京都ギャラリーで展示しております。お近くにいらした際は是非ご覧くださいませ。 虎屋 京都ギャラリー 虎屋所蔵品展「ものがたり」【会期】2025年4月19日(土)~5月18日(日) 午前10時~午後5時 入場無料 ※休館日: 4月21日(月)・28日(月)、5月12日(月) 鳥羽院の寵愛を受ける才色兼備の玉藻の前 陰陽師によって玉藻の正体が見破られる 魂が乗り移った石(殺生石) *画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。

三代歌川豊国「江戸名所百人美女 長命寺」安政4年(1857)
菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。 *画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。 三代歌川豊国による、「江戸名所百人美女」というシリーズのうちのひとつです。前掛けをした女性が、お盆と竹籠を持っていますね。一見お菓子はないように思われますが、実は竹籠の中に桜餅が入っているのです。よく見ると床几(しょうぎ)の上の木箱に「桜」の文字、 左上のコマ絵※にも「桜もち」の幟旗が描かれていることがわかります。隅田川名物と謳われた桜餅は、向島にある長命寺の門番が、隅田川沿いに植えられた桜の葉を利用し、売り出したことに始まるともいわれます。桜の名所ということもあり、文化文政期(1804~30)には大変流行したそうです。作品からは、茶店で桜餅を求め、桜並木と隅田川の景色を楽しむ……、そんな当時の人々の姿が想像されますね。 ※主題の補足となる小さな絵のこと。画面の右上や左上の隅に枠に囲まれて描かれることが多い。 二代 歌川国久による左上のコマ絵
三代歌川豊国「江戸名所百人美女 長命寺」安政4年(1857)
菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。 *画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。 三代歌川豊国による、「江戸名所百人美女」というシリーズのうちのひとつです。前掛けをした女性が、お盆と竹籠を持っていますね。一見お菓子はないように思われますが、実は竹籠の中に桜餅が入っているのです。よく見ると床几(しょうぎ)の上の木箱に「桜」の文字、 左上のコマ絵※にも「桜もち」の幟旗が描かれていることがわかります。隅田川名物と謳われた桜餅は、向島にある長命寺の門番が、隅田川沿いに植えられた桜の葉を利用し、売り出したことに始まるともいわれます。桜の名所ということもあり、文化文政期(1804~30)には大変流行したそうです。作品からは、茶店で桜餅を求め、桜並木と隅田川の景色を楽しむ……、そんな当時の人々の姿が想像されますね。 ※主題の補足となる小さな絵のこと。画面の右上や左上の隅に枠に囲まれて描かれることが多い。 二代 歌川国久による左上のコマ絵