虎屋文庫:和菓子だより
三代歌川豊国「意勢固世身 見立十二直 極月の餅搗」弘化4~嘉永5年(1847~52)頃
菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。 左上には蒸籠や、臼も見える。 *画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。 江戸時代の人々が使っていた代表的な暦「伊勢暦(意勢固世身)」と、暦注の「十二直(じゅうにちょく)※」にちなんで、毎月の行事や風俗を描いた12枚のシリーズのうちのひとつです。極月(ごくげつ、ごくづき)とは、12月の異名。年の瀬の、餅搗の様子が描かれています。手前の女性が作っているのは、大きな鏡餅でしょうか。後ろの女の子は、豊作を願って飾る餅花を作っています。2人の表情はどこか楽しげで、正月を心待ちにする様子が伝わってきます。 ※古くから暦に記載された諸注記の一つで、日々の吉凶を示したもの。建・除・満・平・定・執・破・危・成・収・開・閉の12語。ここでは「執(取)」にちなんでいる。
三代歌川豊国「意勢固世身 見立十二直 極月の餅搗」弘化4~嘉永5年(1847~52)頃
菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。 左上には蒸籠や、臼も見える。 *画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。 江戸時代の人々が使っていた代表的な暦「伊勢暦(意勢固世身)」と、暦注の「十二直(じゅうにちょく)※」にちなんで、毎月の行事や風俗を描いた12枚のシリーズのうちのひとつです。極月(ごくげつ、ごくづき)とは、12月の異名。年の瀬の、餅搗の様子が描かれています。手前の女性が作っているのは、大きな鏡餅でしょうか。後ろの女の子は、豊作を願って飾る餅花を作っています。2人の表情はどこか楽しげで、正月を心待ちにする様子が伝わってきます。 ※古くから暦に記載された諸注記の一つで、日々の吉凶を示したもの。建・除・満・平・定・執・破・危・成・収・開・閉の12語。ここでは「執(取)」にちなんでいる。
和菓子のことば <広辞苑大学×神保町ブックセンター>トークイベントのお知らせ
和菓子にかかわる<ことば>についてのトークイベントで、虎屋文庫 中山圭子が講師を務めます。 和菓子は、その名前や材料やかたちに、四季の自然や風物がみごとに織り込まれている小さな芸術品です。和菓子と<ことば>で、その歴史ある世界をお楽しみください。 開催日:2018年12月15日(土)14:00~16:00 会 場:神保町ブックセンター 料 金:無料(要お申込み) 和菓子付き 定 員:25名 お問合せ先:神保町ブックセンター TEL:03-6268-9064 応募方法など詳しくはこちらをご覧ください。
和菓子のことば <広辞苑大学×神保町ブックセンター>トークイベントのお知らせ
和菓子にかかわる<ことば>についてのトークイベントで、虎屋文庫 中山圭子が講師を務めます。 和菓子は、その名前や材料やかたちに、四季の自然や風物がみごとに織り込まれている小さな芸術品です。和菓子と<ことば>で、その歴史ある世界をお楽しみください。 開催日:2018年12月15日(土)14:00~16:00 会 場:神保町ブックセンター 料 金:無料(要お申込み) 和菓子付き 定 員:25名 お問合せ先:神保町ブックセンター TEL:03-6268-9064 応募方法など詳しくはこちらをご覧ください。
羊羹の数え方
『庭訓往来図讃』(1688) 棹状の羊羹の絵としてはもっとも古い。羊羹のように棒状にして作る菓子を「棹物」といい、一棹、二棹と数えます。「棹」を使うのは、羊羹などを流し固める型箱が、「船」(舟)と呼ばれたため。船には棹が付き物なので、言葉遊びもあってのことでしょう。 棹物という名称は江戸時代に広まったようで、室町時代の史料を見ると、羊羹については「一包」「一折」「一籠」などの数え方が見られます。当時はどのような形だったのでしょうか。 時代は飛んで現在では、核家族や単身世帯が増え、小さい羊羹が各地で作られるようになったこともあって、「本」や「個」を耳にすることが多くなりました。ちょっと古風な響きのある「棹」という言葉も大事にしたいですね。
羊羹の数え方
『庭訓往来図讃』(1688) 棹状の羊羹の絵としてはもっとも古い。羊羹のように棒状にして作る菓子を「棹物」といい、一棹、二棹と数えます。「棹」を使うのは、羊羹などを流し固める型箱が、「船」(舟)と呼ばれたため。船には棹が付き物なので、言葉遊びもあってのことでしょう。 棹物という名称は江戸時代に広まったようで、室町時代の史料を見ると、羊羹については「一包」「一折」「一籠」などの数え方が見られます。当時はどのような形だったのでしょうか。 時代は飛んで現在では、核家族や単身世帯が増え、小さい羊羹が各地で作られるようになったこともあって、「本」や「個」を耳にすることが多くなりました。ちょっと古風な響きのある「棹」という言葉も大事にしたいですね。
元禄8年(1695)菓子見本帳
菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。 「十一月」 左より「花いかた」「しら藤」「水山ふき」「たつ田餅」「小しきし」 *画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。 虎屋には、元禄8年作成の菓子見本帳(デザイン帳)が2冊あります。両方とも書名は「御菓子之畫圖(おかしのえず)」ですが、奥書に書かれた作成月や菓子の収録点数に違いがあり、一冊は「十一月」で74点、もう一冊は「八月」で111点となっています。もともと虎屋には「十一月」のほうが伝来しており、他店のものも含め最古の見本帳とされていましたが、平成24年(2012)、「八月」と書かれたものが外部で発見され、収蔵されました。今の菓子に比べると、白、黄、茶、灰色を中心とした落ち着いた色合いですが、桜の花びらが川を流れる様子を筏に見立てた「花いかた(花筏)」や、散らした小豆の粒が白藤の花を思わせる「しら藤(白藤)」などが見え、現在同様、自然の情景を銘や意匠に取り入れた菓子が多かったことがわかります。なかには、「水山ふき(水山吹)」のように現在まで作り続けられているものも。300年という年月を考えると、感慨深いものがありますね。 表紙(約18×25cm):上から「十一月」、「八月」 『水山吹』:黄色は咲き乱れる山吹を、黒は川の流れを表している。 ※機関誌『和菓子』23号に全絵図をカラーで掲載しています。ご興味のある方は是非ご覧ください。
元禄8年(1695)菓子見本帳
菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。 「十一月」 左より「花いかた」「しら藤」「水山ふき」「たつ田餅」「小しきし」 *画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。 虎屋には、元禄8年作成の菓子見本帳(デザイン帳)が2冊あります。両方とも書名は「御菓子之畫圖(おかしのえず)」ですが、奥書に書かれた作成月や菓子の収録点数に違いがあり、一冊は「十一月」で74点、もう一冊は「八月」で111点となっています。もともと虎屋には「十一月」のほうが伝来しており、他店のものも含め最古の見本帳とされていましたが、平成24年(2012)、「八月」と書かれたものが外部で発見され、収蔵されました。今の菓子に比べると、白、黄、茶、灰色を中心とした落ち着いた色合いですが、桜の花びらが川を流れる様子を筏に見立てた「花いかた(花筏)」や、散らした小豆の粒が白藤の花を思わせる「しら藤(白藤)」などが見え、現在同様、自然の情景を銘や意匠に取り入れた菓子が多かったことがわかります。なかには、「水山ふき(水山吹)」のように現在まで作り続けられているものも。300年という年月を考えると、感慨深いものがありますね。 表紙(約18×25cm):上から「十一月」、「八月」 『水山吹』:黄色は咲き乱れる山吹を、黒は川の流れを表している。 ※機関誌『和菓子』23号に全絵図をカラーで掲載しています。ご興味のある方は是非ご覧ください。
特殊切手「和の食文化シリーズ第4集」(和菓子)発行のご案内
日本郵便が発行する特殊切手「和の食文化シリーズ 第4集」は和菓子がテーマです。花びら餅や饅頭など10種類の和菓子が美しい切手になりました。発行にあたり、虎屋文庫の中山圭子が協力しました。 発行日 :2018年10月24日(水)販売場所 :全国の郵便局、郵便局のネットショップ販売種類 :82円郵便切手販売価格 :820円お問い合わせ:日本郵便株式会社 お客様サービス相談センター ℡0120-2328-86(フリーコール)携帯電話から0570-046-666(有料)また、この切手の発行に合わせ販売される「和の食文化シリーズ 特別編」(2,500円)は四季の和菓子の切手24枚(上記のものとは違うデザイン)と一筆箋や封筒の組み合わせです。 詳しくはこちらをご覧ください。 今回の切手発行を記念してイベントが開催されます。 監修者のお一人である東四柳祥子氏と切手デザイナーの星山理佳氏によるトークショーやワークショップなど、切手と和菓子にまつわるあれこれが体験できます。 日時:2018年10月24日(水)11:30~19:00場所:二子玉川ライズ ガレリア
特殊切手「和の食文化シリーズ第4集」(和菓子)発行のご案内
日本郵便が発行する特殊切手「和の食文化シリーズ 第4集」は和菓子がテーマです。花びら餅や饅頭など10種類の和菓子が美しい切手になりました。発行にあたり、虎屋文庫の中山圭子が協力しました。 発行日 :2018年10月24日(水)販売場所 :全国の郵便局、郵便局のネットショップ販売種類 :82円郵便切手販売価格 :820円お問い合わせ:日本郵便株式会社 お客様サービス相談センター ℡0120-2328-86(フリーコール)携帯電話から0570-046-666(有料)また、この切手の発行に合わせ販売される「和の食文化シリーズ 特別編」(2,500円)は四季の和菓子の切手24枚(上記のものとは違うデザイン)と一筆箋や封筒の組み合わせです。 詳しくはこちらをご覧ください。 今回の切手発行を記念してイベントが開催されます。 監修者のお一人である東四柳祥子氏と切手デザイナーの星山理佳氏によるトークショーやワークショップなど、切手と和菓子にまつわるあれこれが体験できます。 日時:2018年10月24日(水)11:30~19:00場所:二子玉川ライズ ガレリア
『あじわい』誌の秋号に寄稿しています
全国銘産菓子工業協同組合発行『あじわい』にて連載中の「資料に見る和菓子」。今回は、明治時代の史料に描かれた菓子の看板をご紹介しています。色や形に工夫が凝らされたさまざまな看板をお楽しみください。 下記からもご覧いただけますので、ぜひご一読くださいませ。 http://www.ajiwai.or.jp/wagashi/index.html
『あじわい』誌の秋号に寄稿しています
全国銘産菓子工業協同組合発行『あじわい』にて連載中の「資料に見る和菓子」。今回は、明治時代の史料に描かれた菓子の看板をご紹介しています。色や形に工夫が凝らされたさまざまな看板をお楽しみください。 下記からもご覧いただけますので、ぜひご一読くださいませ。 http://www.ajiwai.or.jp/wagashi/index.html