虎屋文庫:和菓子だより
根津美術館 特別展 虎屋のおひなさま 作品紹介(牡丹唐草文蕎麦蒸籠)
根津美術館「特別展 虎屋のおひなさま」は、 会期末の3月29日(日)まで休館のまま、閉幕しました。 展示会場で直接ご鑑賞頂くことは出来ませんでしたが、図録にない画像やエピソードも交えながら、主要な作品をご紹介させて頂きました。今回をもって最終回とさせて頂きます。 牡丹唐草文蕎麦蒸籠(ぼたんからくさもんそばせいろ)長辺:11.3cm *画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。婚礼用具一式、膳物、重箱など極めて精緻で美しい七澤屋の雛道具の中に、ひと際異彩を放つ「牡丹唐草文蕎麦蒸籠」、いわゆる「ざるそば」の一式があります。 雛人形、雛道具をしまう3月4日、蕎麦を雛段に供え、食べる風習※がありました。この風習にちなんで「ざるそば」の一式が雛道具として作られたのです。「今年もお雛様を飾ることができました。来年も無事に飾ることができますように」という願いを込めて蕎麦を食べたのでしょう。 次に展示を開催するときには、皆さまとにお目にかかることができるよう祈念し、この連載を終わりたいと思います。 ※年越蕎麦の吉例に通じるものがある。 左:二段の蒸籠。すだれも本物と同じつくり。 右:そばつゆ徳利。薬味皿。牡丹唐草文蕎麦猪口。根来塗盆。 なお、本展示の内容をまとめた図録『虎屋のおひなさま』が根津美術館より刊行されています。展示作品全ての画像とともに、新たな撮影を加え、作品の特徴、技巧など見やすく構成しています。また、最新の雛に関する研究を踏まえた論考も掲載しています。購入方法、価格、送料などの詳細はこちらをご覧ください。
根津美術館 特別展 虎屋のおひなさま 作品紹介(牡丹唐草文蕎麦蒸籠)
根津美術館「特別展 虎屋のおひなさま」は、 会期末の3月29日(日)まで休館のまま、閉幕しました。 展示会場で直接ご鑑賞頂くことは出来ませんでしたが、図録にない画像やエピソードも交えながら、主要な作品をご紹介させて頂きました。今回をもって最終回とさせて頂きます。 牡丹唐草文蕎麦蒸籠(ぼたんからくさもんそばせいろ)長辺:11.3cm *画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。婚礼用具一式、膳物、重箱など極めて精緻で美しい七澤屋の雛道具の中に、ひと際異彩を放つ「牡丹唐草文蕎麦蒸籠」、いわゆる「ざるそば」の一式があります。 雛人形、雛道具をしまう3月4日、蕎麦を雛段に供え、食べる風習※がありました。この風習にちなんで「ざるそば」の一式が雛道具として作られたのです。「今年もお雛様を飾ることができました。来年も無事に飾ることができますように」という願いを込めて蕎麦を食べたのでしょう。 次に展示を開催するときには、皆さまとにお目にかかることができるよう祈念し、この連載を終わりたいと思います。 ※年越蕎麦の吉例に通じるものがある。 左:二段の蒸籠。すだれも本物と同じつくり。 右:そばつゆ徳利。薬味皿。牡丹唐草文蕎麦猪口。根来塗盆。 なお、本展示の内容をまとめた図録『虎屋のおひなさま』が根津美術館より刊行されています。展示作品全ての画像とともに、新たな撮影を加え、作品の特徴、技巧など見やすく構成しています。また、最新の雛に関する研究を踏まえた論考も掲載しています。購入方法、価格、送料などの詳細はこちらをご覧ください。
根津美術館 特別展 虎屋のおひなさま 作品紹介(泥絵柳桜図屏風 吉川霊華筆)
根津美術館「特別展 虎屋のおひなさま」は、 会期末の3月29日(日)まで休館のまま、閉幕しました。 展示会場で直接ご鑑賞頂くことはできませんでしたので、図録にない画像やエピソードも交えながら、主要な作品を3月31日(火)まで、ご紹介いたします。 泥絵柳桜図屏風 吉川霊華(きっかわれいか)筆縦:28.5cm *画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。吉川霊華(1875~1929)は 最初は浮世絵を、その後、狩野派などを学びました。17歳の正月、冷泉為恭(れいぜいためちか)の作品に出会い、以降、好んで彼の作品を模写し、大和絵の研鑽に励みました。彼の作品の特徴は、端麗な気品に満ちた、流れるような描線にあります。非常に研究熱心なあまり、制作するまでに時間がかかり、寡作で知られています。 金銀泥(きんぎんでい)で描いた線はみずみずしく、雛屏風の中の白眉と言えましょう。 屏風の本紙の周りの表装は、布地ではなく、手で描いた書き表装です。 なお、本展示の内容をまとめた図録『虎屋のおひなさま』が根津美術館より刊行されています。展示作品全ての画像とともに、新たな撮影を加え、作品の特徴、技巧など見やすく構成しています。また、最新の雛に関する研究を踏まえた論考も掲載しています。購入方法、価格、送料などの詳細はこちらをご覧ください。
根津美術館 特別展 虎屋のおひなさま 作品紹介(泥絵柳桜図屏風 吉川霊華筆)
根津美術館「特別展 虎屋のおひなさま」は、 会期末の3月29日(日)まで休館のまま、閉幕しました。 展示会場で直接ご鑑賞頂くことはできませんでしたので、図録にない画像やエピソードも交えながら、主要な作品を3月31日(火)まで、ご紹介いたします。 泥絵柳桜図屏風 吉川霊華(きっかわれいか)筆縦:28.5cm *画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。吉川霊華(1875~1929)は 最初は浮世絵を、その後、狩野派などを学びました。17歳の正月、冷泉為恭(れいぜいためちか)の作品に出会い、以降、好んで彼の作品を模写し、大和絵の研鑽に励みました。彼の作品の特徴は、端麗な気品に満ちた、流れるような描線にあります。非常に研究熱心なあまり、制作するまでに時間がかかり、寡作で知られています。 金銀泥(きんぎんでい)で描いた線はみずみずしく、雛屏風の中の白眉と言えましょう。 屏風の本紙の周りの表装は、布地ではなく、手で描いた書き表装です。 なお、本展示の内容をまとめた図録『虎屋のおひなさま』が根津美術館より刊行されています。展示作品全ての画像とともに、新たな撮影を加え、作品の特徴、技巧など見やすく構成しています。また、最新の雛に関する研究を踏まえた論考も掲載しています。購入方法、価格、送料などの詳細はこちらをご覧ください。
根津美術館 特別展 虎屋のおひなさま 作品紹介(雛画賛 藤本鉄石筆)
根津美術館「特別展 虎屋のおひなさま」は、 会期末の3月29日(日)まで休館のまま、閉幕しました。 展示会場で直接ご鑑賞頂くことはできませんでしたので、図録にない画像やエピソードも交えながら、主要な作品を3月31日(火)まで、ご紹介いたします。 雛画賛 藤本鉄石(ふじもとてっせき)筆*画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。藤本鉄石(1816~63)は、京都で書画家として有名でした。幕末、勤王の志士として、大和国、現在の奈良県で挙兵して天誅組を結成し、総裁の一人となりますが、壮絶な最期を遂げます。 表装は三段表装で、表具の意匠が非常に凝っています。一文字、風袋には菊と桐の紋が施されています。 画賛ともに薄墨を用いて勢いよく、一気に描かれています。水墨による立雛図は珍しい作品です。 虎屋には富岡鉄斎が若き日に影響を受け、自ら箱書きした藤本鉄石の作品が数点あります。恐らく14代店主黒川光景の弟で、京都店支配人であった黒川正弘が、お店の近所に住んでいた鉄斎と非常に親しい関係にあったことから入手したものと思われます。 なお、本展示の内容をまとめた図録『虎屋のおひなさま』が根津美術館より刊行されています。展示作品全ての画像とともに、新たな撮影を加え、作品の特徴、技巧など見やすく構成しています。また、最新の雛に関する研究を踏まえた論考も掲載しています。購入方法、価格、送料などの詳細はこちらをご覧ください。
根津美術館 特別展 虎屋のおひなさま 作品紹介(雛画賛 藤本鉄石筆)
根津美術館「特別展 虎屋のおひなさま」は、 会期末の3月29日(日)まで休館のまま、閉幕しました。 展示会場で直接ご鑑賞頂くことはできませんでしたので、図録にない画像やエピソードも交えながら、主要な作品を3月31日(火)まで、ご紹介いたします。 雛画賛 藤本鉄石(ふじもとてっせき)筆*画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。藤本鉄石(1816~63)は、京都で書画家として有名でした。幕末、勤王の志士として、大和国、現在の奈良県で挙兵して天誅組を結成し、総裁の一人となりますが、壮絶な最期を遂げます。 表装は三段表装で、表具の意匠が非常に凝っています。一文字、風袋には菊と桐の紋が施されています。 画賛ともに薄墨を用いて勢いよく、一気に描かれています。水墨による立雛図は珍しい作品です。 虎屋には富岡鉄斎が若き日に影響を受け、自ら箱書きした藤本鉄石の作品が数点あります。恐らく14代店主黒川光景の弟で、京都店支配人であった黒川正弘が、お店の近所に住んでいた鉄斎と非常に親しい関係にあったことから入手したものと思われます。 なお、本展示の内容をまとめた図録『虎屋のおひなさま』が根津美術館より刊行されています。展示作品全ての画像とともに、新たな撮影を加え、作品の特徴、技巧など見やすく構成しています。また、最新の雛に関する研究を踏まえた論考も掲載しています。購入方法、価格、送料などの詳細はこちらをご覧ください。
根津美術館 特別展 虎屋のおひなさま 作品紹介(享保雛図 田中抱二筆)
根津美術館「特別展 虎屋のおひなさま」は、 会期末の3月29日(日)まで休館のまま、閉幕しました。 展示会場で直接ご鑑賞頂くことはできませんでしたので、図録にない画像やエピソードも交えながら、主要な作品を3月31日(火)まで、ご紹介いたします。 享保雛図 田中抱二(たなかほうじ)筆*画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。田中抱二(1815-85)は琳派の酒井抱一の弟子で、四天王のひとりといわれています。三段表装の華やかな作品です。 女雛の袖は享保雛の特徴である筒袖。 非常に細密で丁寧に描かれ、金、銀泥(ぎんでい)、胡粉(ごふん)、緑青(ろくしょう)などをふんだんに使い、装飾品、小物を立体的に描いています。 手前にある器物の中には、紅白の饅頭、餅でしょうか。気になります。 なお、本展示の内容をまとめた図録『虎屋のおひなさま』が根津美術館より刊行されています。展示作品全ての画像とともに、新たな撮影を加え、作品の特徴、技巧など見やすく構成しています。また、最新の雛に関する研究を踏まえた論考も掲載しています。購入方法、価格、送料などの詳細はこちらをご覧ください。
根津美術館 特別展 虎屋のおひなさま 作品紹介(享保雛図 田中抱二筆)
根津美術館「特別展 虎屋のおひなさま」は、 会期末の3月29日(日)まで休館のまま、閉幕しました。 展示会場で直接ご鑑賞頂くことはできませんでしたので、図録にない画像やエピソードも交えながら、主要な作品を3月31日(火)まで、ご紹介いたします。 享保雛図 田中抱二(たなかほうじ)筆*画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。田中抱二(1815-85)は琳派の酒井抱一の弟子で、四天王のひとりといわれています。三段表装の華やかな作品です。 女雛の袖は享保雛の特徴である筒袖。 非常に細密で丁寧に描かれ、金、銀泥(ぎんでい)、胡粉(ごふん)、緑青(ろくしょう)などをふんだんに使い、装飾品、小物を立体的に描いています。 手前にある器物の中には、紅白の饅頭、餅でしょうか。気になります。 なお、本展示の内容をまとめた図録『虎屋のおひなさま』が根津美術館より刊行されています。展示作品全ての画像とともに、新たな撮影を加え、作品の特徴、技巧など見やすく構成しています。また、最新の雛に関する研究を踏まえた論考も掲載しています。購入方法、価格、送料などの詳細はこちらをご覧ください。
根津美術館 特別展 虎屋のおひなさま 作品紹介(植木台)
根津美術館「特別展 虎屋のおひなさま」は、 会期末の3月29日(日)まで休館のまま、閉幕しました。 展示会場で直接ご鑑賞頂くことはできませんでしたので、図録にない画像やエピソードも交えながら、主要な作品を3月31日(火)まで、ご紹介いたします。 植木台 写真右の拡大 *画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。松や南天、万年青(おもと)など縁起のいい植物がずらり。盆栽は鉢との取り合わせも見どころの一つ。色や形、サイズ、デザインがそれぞれ異なり、工夫されています。 写真左の拡大こちらは植物も鉢も金属でできています。専門の錺職(かざりしょく)が手掛けたものでしょう。左下は菖蒲でしょうか。伸びやかな葉の表現が見事です。桜、梅、菊など四季の花々が一堂に並ぶさまは、細工の技を競う雛道具ならではの楽しい光景といえるでしょう。 なお、本展示の内容をまとめた図録『虎屋のおひなさま』が根津美術館より刊行されています。展示作品全ての画像とともに、新たな撮影を加え、作品の特徴、技巧など見やすく構成しています。また、最新の雛に関する研究を踏まえた論考も掲載しています。購入方法、価格、送料などの詳細はこちらをご覧ください。 参考:「新板植木つくし」(1857) 国立国会図書館蔵
根津美術館 特別展 虎屋のおひなさま 作品紹介(植木台)
根津美術館「特別展 虎屋のおひなさま」は、 会期末の3月29日(日)まで休館のまま、閉幕しました。 展示会場で直接ご鑑賞頂くことはできませんでしたので、図録にない画像やエピソードも交えながら、主要な作品を3月31日(火)まで、ご紹介いたします。 植木台 写真右の拡大 *画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。松や南天、万年青(おもと)など縁起のいい植物がずらり。盆栽は鉢との取り合わせも見どころの一つ。色や形、サイズ、デザインがそれぞれ異なり、工夫されています。 写真左の拡大こちらは植物も鉢も金属でできています。専門の錺職(かざりしょく)が手掛けたものでしょう。左下は菖蒲でしょうか。伸びやかな葉の表現が見事です。桜、梅、菊など四季の花々が一堂に並ぶさまは、細工の技を競う雛道具ならではの楽しい光景といえるでしょう。 なお、本展示の内容をまとめた図録『虎屋のおひなさま』が根津美術館より刊行されています。展示作品全ての画像とともに、新たな撮影を加え、作品の特徴、技巧など見やすく構成しています。また、最新の雛に関する研究を踏まえた論考も掲載しています。購入方法、価格、送料などの詳細はこちらをご覧ください。 参考:「新板植木つくし」(1857) 国立国会図書館蔵
根津美術館 特別展 虎屋のおひなさま 作品紹介(台所道具)
根津美術館「特別展 虎屋のおひなさま」は、 会期末の3月29日(日)まで休館のまま、閉幕しました。 展示会場で直接ご鑑賞頂くことはできませんでしたので、図録にない画像やエピソードも交えながら、主要な作品を3月31日(火)まで、ご紹介いたします。 台所道具*画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。七澤屋製と考えられているミニチュアの台所道具一式。従来確認されていた道具類に加え、台所床下の隠し引き出しから新たに発見されたものもあり、総数は併せて約100 点にのぼります。 隠し引き出し2~3㎝ほどの極小サイズで作られた、包丁、鍋、やかん、櫃、皿などは、いずれも本物そっくりで、1点1点眺めていると飽きることがありません。竃に火吹竹、天秤棒と担い桶といったものから、当時の生活様式がうかがえるのも楽しいところです。 竃と火吹竹、団扇。 天秤棒と担い籠、桶。手前に石臼も。 なお、本展示の内容をまとめた図録『虎屋のおひなさま』が根津美術館より刊行されています。展示作品全ての画像とともに、新たな撮影を加え、作品の特徴、技巧など見やすく構成しています。また、最新の雛に関する研究を踏まえた論考も掲載しています。購入方法、価格、送料などの詳細はこちらをご覧ください。
根津美術館 特別展 虎屋のおひなさま 作品紹介(台所道具)
根津美術館「特別展 虎屋のおひなさま」は、 会期末の3月29日(日)まで休館のまま、閉幕しました。 展示会場で直接ご鑑賞頂くことはできませんでしたので、図録にない画像やエピソードも交えながら、主要な作品を3月31日(火)まで、ご紹介いたします。 台所道具*画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。七澤屋製と考えられているミニチュアの台所道具一式。従来確認されていた道具類に加え、台所床下の隠し引き出しから新たに発見されたものもあり、総数は併せて約100 点にのぼります。 隠し引き出し2~3㎝ほどの極小サイズで作られた、包丁、鍋、やかん、櫃、皿などは、いずれも本物そっくりで、1点1点眺めていると飽きることがありません。竃に火吹竹、天秤棒と担い桶といったものから、当時の生活様式がうかがえるのも楽しいところです。 竃と火吹竹、団扇。 天秤棒と担い籠、桶。手前に石臼も。 なお、本展示の内容をまとめた図録『虎屋のおひなさま』が根津美術館より刊行されています。展示作品全ての画像とともに、新たな撮影を加え、作品の特徴、技巧など見やすく構成しています。また、最新の雛に関する研究を踏まえた論考も掲載しています。購入方法、価格、送料などの詳細はこちらをご覧ください。