虎屋文庫:和菓子だより
「木下勝弘 多摩美術大学退職記念展」開催
虎屋文庫の展示 DMデザインや『和菓子を愛した人たち』( 山川出版社) の装幀を手掛けられた株式会社デザイン倶楽部 木下勝弘氏の「多摩美術大学退職記念展」が開催されていますので、お知らせします。 木下勝弘 多摩美術大学退職記念展「POSTER & BOOK DESIGN」 会期:2021年6月3日(木)~6月12日(土) 会場:多摩美術大学アートテーク1F 入場無料 開館時間:10:00~17:00(日曜休館) ポスター添付https://aac.tamabi.ac.jp/information_dnp_4.html 近作までのポスター160作(とらや関係29点)と書籍30冊(虎屋文庫『和菓子を愛した人たち』(山川出版社)、『Flowers and Wagashi』含む)で構成。 *西武美術館のイベントやコシノジュンコのファッションデザインなど、テーマは多岐にわたり、とらや関係の作品が展示された、和菓子の魅力満載のコーナーもあります。この機会にぜひご覧くださいませ。
「木下勝弘 多摩美術大学退職記念展」開催
虎屋文庫の展示 DMデザインや『和菓子を愛した人たち』( 山川出版社) の装幀を手掛けられた株式会社デザイン倶楽部 木下勝弘氏の「多摩美術大学退職記念展」が開催されていますので、お知らせします。 木下勝弘 多摩美術大学退職記念展「POSTER & BOOK DESIGN」 会期:2021年6月3日(木)~6月12日(土) 会場:多摩美術大学アートテーク1F 入場無料 開館時間:10:00~17:00(日曜休館) ポスター添付https://aac.tamabi.ac.jp/information_dnp_4.html 近作までのポスター160作(とらや関係29点)と書籍30冊(虎屋文庫『和菓子を愛した人たち』(山川出版社)、『Flowers and Wagashi』含む)で構成。 *西武美術館のイベントやコシノジュンコのファッションデザインなど、テーマは多岐にわたり、とらや関係の作品が展示された、和菓子の魅力満載のコーナーもあります。この機会にぜひご覧くださいませ。
鐶虎紋青貝井籠外箱 延宝2年(1674)
菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。 35.3×39.0×52.5(cm) 鐶虎が確認できる史料としても最古である。 *画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。江戸時代、お客様のもとへ菓子を届ける際には、井籠(せいろう)に詰め、外箱に入れ、紐を掛けて天秤棒などに吊るして運びました(下図)。画像の外箱は、底板裏に「一条虎屋 延宝二年寅 近江大掾」とあり、虎屋所蔵の年紀のある外箱としては最も古いものです。上部と側面には、青貝を使用した螺鈿(らでん)細工で、虎の字を「鐶」(かん)※で囲った「鐶虎(かんとら)」紋が入れられています。現在も包装紙やパッケージほかに使用されている鐶虎紋ですが、江戸時代のお客様も、虎屋の目印としてくださっていたことでしょう。 ※箪笥の取っ手の金具を紋章化したもの。虎屋の場合、菓子箪笥などを表したものとも考えられる。 歌川広重「東都名所 二丁町芝居の図」部分(メトロポリタン美術館蔵) (「虎屋」の屋号が見えるが弊社とは別の店)
鐶虎紋青貝井籠外箱 延宝2年(1674)
菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。 35.3×39.0×52.5(cm) 鐶虎が確認できる史料としても最古である。 *画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。江戸時代、お客様のもとへ菓子を届ける際には、井籠(せいろう)に詰め、外箱に入れ、紐を掛けて天秤棒などに吊るして運びました(下図)。画像の外箱は、底板裏に「一条虎屋 延宝二年寅 近江大掾」とあり、虎屋所蔵の年紀のある外箱としては最も古いものです。上部と側面には、青貝を使用した螺鈿(らでん)細工で、虎の字を「鐶」(かん)※で囲った「鐶虎(かんとら)」紋が入れられています。現在も包装紙やパッケージほかに使用されている鐶虎紋ですが、江戸時代のお客様も、虎屋の目印としてくださっていたことでしょう。 ※箪笥の取っ手の金具を紋章化したもの。虎屋の場合、菓子箪笥などを表したものとも考えられる。 歌川広重「東都名所 二丁町芝居の図」部分(メトロポリタン美術館蔵) (「虎屋」の屋号が見えるが弊社とは別の店)
魅力を探る 羊羹製「卯の花巻」
羊羹製「卯の花巻」 2021年4月1日〜15日 「卯の花巻(うのはなまき)」の、卯の花とはウツギのことで、旧暦4月(卯月)頃に咲くことから「卯月の花」とも呼ばれています。 くるみを中心に白と緑の羊羹製※1生地をうず状に巻き、小口切りにした菓子で、卯の花の白い小花が咲く野山に、鳥が飛んでいる様子を思わせます。 虎屋の羊羹製の多くは、中に餡を入れ木型で花などをかたどったものですが、「卯の花巻」のように餡を入れず、うず状にした「巻物(まきもの)」は、羊羹製そのものの食感と深みある味わいがより楽しめます。 「巻物」は、2色や3色の色合いで梅や菊を表現することもあり、「かさねの色目」※2にも通じます。 巻物の例 (左:「巻紅梅」右:「千代の菊」) 大正7年(1918)『数物御菓子見本帖』より ※1「こなし」とも呼ばれている。餡に小麦粉・寒梅粉を混ぜて蒸し、揉み込んだ生地のこと。 ※2平安貴族社会の衣装などに見られる雅びな色づかいのこと。
魅力を探る 羊羹製「卯の花巻」
羊羹製「卯の花巻」 2021年4月1日〜15日 「卯の花巻(うのはなまき)」の、卯の花とはウツギのことで、旧暦4月(卯月)頃に咲くことから「卯月の花」とも呼ばれています。 くるみを中心に白と緑の羊羹製※1生地をうず状に巻き、小口切りにした菓子で、卯の花の白い小花が咲く野山に、鳥が飛んでいる様子を思わせます。 虎屋の羊羹製の多くは、中に餡を入れ木型で花などをかたどったものですが、「卯の花巻」のように餡を入れず、うず状にした「巻物(まきもの)」は、羊羹製そのものの食感と深みある味わいがより楽しめます。 「巻物」は、2色や3色の色合いで梅や菊を表現することもあり、「かさねの色目」※2にも通じます。 巻物の例 (左:「巻紅梅」右:「千代の菊」) 大正7年(1918)『数物御菓子見本帖』より ※1「こなし」とも呼ばれている。餡に小麦粉・寒梅粉を混ぜて蒸し、揉み込んだ生地のこと。 ※2平安貴族社会の衣装などに見られる雅びな色づかいのこと。
『あじわい』誌の春号に寄稿しています
全国銘産菓子工業協同組合発行『あじわい』にて連載中の「資料に見る和菓子」。今回は江戸時代に広まった錦絵のなかから、菓子を売る様子を描いたものをご紹介しました。 下記からご覧いただけますので、ぜひご一読くださいませ。 http://www.ajiwai.or.jp/
『あじわい』誌の春号に寄稿しています
全国銘産菓子工業協同組合発行『あじわい』にて連載中の「資料に見る和菓子」。今回は江戸時代に広まった錦絵のなかから、菓子を売る様子を描いたものをご紹介しました。 下記からご覧いただけますので、ぜひご一読くださいませ。 http://www.ajiwai.or.jp/
美術館情報サイトOBIKAKEにスタッフが紹介されました
アートファンのための美術館情報サイトOBIKAKEのインタビュー記事「Be-dan」のコーナーにて、4回にわたり、赤坂ギャラリーと虎屋文庫のスタッフが紹介されました。 第1回 赤坂ギャラリー(小谷由香里) vol.1https://obikake.com/column/16705/ 第2回 赤坂ギャラリー(小谷由香里)vol.2https://obikake.com/column/16713/ 第3回 虎屋文庫(河上可央理) vol.1https://obikake.com/column/16822/ 第4回 虎屋文庫(河上可央理) vol.2https://obikake.com/column/16889/ 二人の業務内容や、経歴、仕事への想いなどが紹介されています。ぜひご覧ください。 なお、虎屋文庫の活動やスタッフについては、慶應義塾大学アート・センター制作の短編ドキュメンタリー映画もあります(約9分)。あわせてご案内いたします。 /corporate/bunko/activity/media19-06-05/
美術館情報サイトOBIKAKEにスタッフが紹介されました
アートファンのための美術館情報サイトOBIKAKEのインタビュー記事「Be-dan」のコーナーにて、4回にわたり、赤坂ギャラリーと虎屋文庫のスタッフが紹介されました。 第1回 赤坂ギャラリー(小谷由香里) vol.1https://obikake.com/column/16705/ 第2回 赤坂ギャラリー(小谷由香里)vol.2https://obikake.com/column/16713/ 第3回 虎屋文庫(河上可央理) vol.1https://obikake.com/column/16822/ 第4回 虎屋文庫(河上可央理) vol.2https://obikake.com/column/16889/ 二人の業務内容や、経歴、仕事への想いなどが紹介されています。ぜひご覧ください。 なお、虎屋文庫の活動やスタッフについては、慶應義塾大学アート・センター制作の短編ドキュメンタリー映画もあります(約9分)。あわせてご案内いたします。 /corporate/bunko/activity/media19-06-05/
御饅頭所看板 伝 鎌倉時代
菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます 高さ×横幅:116×63(㎝) *画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。 虎屋では饅頭伝来に関わる看板を所蔵しています。これは、仁治2年(1241)、中国留学から帰国した聖一国師(しょういちこくし)が、博多の茶店の主人、栗波吉右衛門に饅頭の製法を伝授したときに書き与えたものといわれています。この時の饅頭は酒饅頭で、吉右衛門の屋号(虎屋)にちなんで虎屋饅頭と呼ばれ、各地に広まりました(博多の虎屋と弊社とは、直接のつながりはありません)。 看板は、長く博多にありましたが、昭和13年(1938)に縁あって虎屋に譲り渡されました。毎年6月2日の創立記念日には、東京への出店を決断した12代店主光正の肖像画や、江戸時代に店頭に置かれていたと伝わる「虎屋看板」とともに、この看板もお祀りし、法要を営んでいます。 なお、虎屋は、種々工夫を加えた酒饅頭として「虎屋饅頭」を受け継いでいます。販売期間は、例年11月上旬から3月中旬までですが、2021年は3月15日までとなっています。 ※御饅頭所看板と聖一国師に関しては、虎屋文庫機関誌『和菓子』9号に詳しく紹介されています。
御饅頭所看板 伝 鎌倉時代
菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます 高さ×横幅:116×63(㎝) *画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。 虎屋では饅頭伝来に関わる看板を所蔵しています。これは、仁治2年(1241)、中国留学から帰国した聖一国師(しょういちこくし)が、博多の茶店の主人、栗波吉右衛門に饅頭の製法を伝授したときに書き与えたものといわれています。この時の饅頭は酒饅頭で、吉右衛門の屋号(虎屋)にちなんで虎屋饅頭と呼ばれ、各地に広まりました(博多の虎屋と弊社とは、直接のつながりはありません)。 看板は、長く博多にありましたが、昭和13年(1938)に縁あって虎屋に譲り渡されました。毎年6月2日の創立記念日には、東京への出店を決断した12代店主光正の肖像画や、江戸時代に店頭に置かれていたと伝わる「虎屋看板」とともに、この看板もお祀りし、法要を営んでいます。 なお、虎屋は、種々工夫を加えた酒饅頭として「虎屋饅頭」を受け継いでいます。販売期間は、例年11月上旬から3月中旬までですが、2021年は3月15日までとなっています。 ※御饅頭所看板と聖一国師に関しては、虎屋文庫機関誌『和菓子』9号に詳しく紹介されています。