虎屋文庫:和菓子だより
羊羹の俳句がたくさん誕生しました!
2021年9月5日、季語と歳時記の会のオンライン講座で「羊羹の不思議」について、虎屋文庫の中山圭子がお話しさせていただきました。講座の感想と入選した俳句がWEBで公開されましたので、お知らせいたします。 羊羹を中心に和菓子の俳句がたくさん誕生しました。皆さまも下記のサイトからぜひお楽しみください。 きごさいBASE「句会には羊羹の句がたくさん出た。美味しいだけでなく、羊羹にはイマジネーションを掻き立てる何かがあるようだ。それも羊羹の不思議だろうか。」 (感想より)
羊羹の俳句がたくさん誕生しました!
2021年9月5日、季語と歳時記の会のオンライン講座で「羊羹の不思議」について、虎屋文庫の中山圭子がお話しさせていただきました。講座の感想と入選した俳句がWEBで公開されましたので、お知らせいたします。 羊羹を中心に和菓子の俳句がたくさん誕生しました。皆さまも下記のサイトからぜひお楽しみください。 きごさいBASE「句会には羊羹の句がたくさん出た。美味しいだけでなく、羊羹にはイマジネーションを掻き立てる何かがあるようだ。それも羊羹の不思議だろうか。」 (感想より)
「和菓子で楽しむ錦絵」展 展示解説 インスタライブ(Web配信)のお知らせ
10月22日(金)19:00より、インスタグラムのとらや公式アカウント(@toraya.confectionery)にて、こんなところにも!「和菓子で楽しむ錦絵」展の展示解説を行います(40分程度)。 事前にアカウントをフォローしていただくと、スムーズにご視聴になれます。 虎屋文庫としては初めてとなるWeb配信です。皆さまのご参加をお待ちしております。
「和菓子で楽しむ錦絵」展 展示解説 インスタライブ(Web配信)のお知らせ
10月22日(金)19:00より、インスタグラムのとらや公式アカウント(@toraya.confectionery)にて、こんなところにも!「和菓子で楽しむ錦絵」展の展示解説を行います(40分程度)。 事前にアカウントをフォローしていただくと、スムーズにご視聴になれます。 虎屋文庫としては初めてとなるWeb配信です。皆さまのご参加をお待ちしております。
三代歌川豊国「東都名所遊観 葉月 高輪」弘化年間(1844~47)
*画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。 今回は月見団子が描かれた、十五夜(旧暦8月15日)の錦絵をご紹介しましょう。題名にある高輪は、江戸時代は品川の海に臨み、見晴らしがよかったことから月見の名所※として有名でした。月見団子を供えるようになったのは江戸時代後期のことといわれ、当時の庶民の風俗を記した『守貞謾稿(もりさだまんこう)』には、江戸の月見は、現在と同様、丸い団子を三宝(三方)に盛り、ススキを供えるとあります。作品右側に注目すると、女性の傍に、三宝の上に積まれた団子が見えますね。左の女性が売りに来たススキを買って、月見に興じるところなのかもしれません。 (拡大) 守貞謾稿(国立国会図書館蔵)より 9月17日から開催の第80回虎屋文庫資料展 こんなところにも!「和菓子で楽しむ錦絵」展では、こちらの作品のほか、和菓子に関連する錦絵をご覧いただけます。ぜひお立ち寄りくださいませ。 ※十五夜、十三夜(旧暦9月13日)の月見のほか、1月と7月の26日に、月が出るのを待って拝む「二十六夜待」も盛んに行われた。 注釈 参考 錦絵でたのしむ江戸の名所(国立国会図書館HP)松下幸子『錦絵が語る江戸の食』遊子館、 2009年
三代歌川豊国「東都名所遊観 葉月 高輪」弘化年間(1844~47)
*画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。 今回は月見団子が描かれた、十五夜(旧暦8月15日)の錦絵をご紹介しましょう。題名にある高輪は、江戸時代は品川の海に臨み、見晴らしがよかったことから月見の名所※として有名でした。月見団子を供えるようになったのは江戸時代後期のことといわれ、当時の庶民の風俗を記した『守貞謾稿(もりさだまんこう)』には、江戸の月見は、現在と同様、丸い団子を三宝(三方)に盛り、ススキを供えるとあります。作品右側に注目すると、女性の傍に、三宝の上に積まれた団子が見えますね。左の女性が売りに来たススキを買って、月見に興じるところなのかもしれません。 (拡大) 守貞謾稿(国立国会図書館蔵)より 9月17日から開催の第80回虎屋文庫資料展 こんなところにも!「和菓子で楽しむ錦絵」展では、こちらの作品のほか、和菓子に関連する錦絵をご覧いただけます。ぜひお立ち寄りくださいませ。 ※十五夜、十三夜(旧暦9月13日)の月見のほか、1月と7月の26日に、月が出るのを待って拝む「二十六夜待」も盛んに行われた。 注釈 参考 錦絵でたのしむ江戸の名所(国立国会図書館HP)松下幸子『錦絵が語る江戸の食』遊子館、 2009年
御用提灯・御用札 伝 江戸時代
菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。 *画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。江戸時代の宮中では、日用品から儀式の調度品まで、あらゆるものを禁裏御用(きんりごよう)商人から仕入れていました。後陽成天皇の御在位中(1586~1611)より御用を勤めてきた虎屋には、御用提灯・御用札という資料が残されています。これらはいずれも宮中より付与され、菓子をお納めする際に用いられました。御用札は荷台の先頭部分や、天秤棒で運ぶ荷物などに取り付けたものと考えられます。提灯は暗い時間帯に使用したのでしょう。 参考御用札とは異なりますが、江戸時代に刊行された名所図会(めいしょずえ・各地の名所などを文章と絵図で紹介した地誌)や錦絵には、荷物の先頭部分に札を挿して運ぶ様子が複数見られます。札には荷物の中身などが書かれたようです。 『江戸名所図会』天保5~7年(1834~1836)刊より 国立国会図書館蔵
御用提灯・御用札 伝 江戸時代
菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。 *画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。江戸時代の宮中では、日用品から儀式の調度品まで、あらゆるものを禁裏御用(きんりごよう)商人から仕入れていました。後陽成天皇の御在位中(1586~1611)より御用を勤めてきた虎屋には、御用提灯・御用札という資料が残されています。これらはいずれも宮中より付与され、菓子をお納めする際に用いられました。御用札は荷台の先頭部分や、天秤棒で運ぶ荷物などに取り付けたものと考えられます。提灯は暗い時間帯に使用したのでしょう。 参考御用札とは異なりますが、江戸時代に刊行された名所図会(めいしょずえ・各地の名所などを文章と絵図で紹介した地誌)や錦絵には、荷物の先頭部分に札を挿して運ぶ様子が複数見られます。札には荷物の中身などが書かれたようです。 『江戸名所図会』天保5~7年(1834~1836)刊より 国立国会図書館蔵
『あじわい』誌の夏号に寄稿しています
全国銘産菓子工業協同組合発行『あじわい』にて連載中の「資料に見る和菓子」。今回は日本の伝統的なパッケージのひとつである、竹皮に関する資料に注目しました。 下記からご覧いただけますので、ぜひご一読くださいませ。 http://www.ajiwai.or.jp/
『あじわい』誌の夏号に寄稿しています
全国銘産菓子工業協同組合発行『あじわい』にて連載中の「資料に見る和菓子」。今回は日本の伝統的なパッケージのひとつである、竹皮に関する資料に注目しました。 下記からご覧いただけますので、ぜひご一読くださいませ。 http://www.ajiwai.or.jp/
楊洲周延「千代田之御表 六月十六日嘉祥ノ図」明治30年(1897)
*画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。 楊洲周延(ようしゅうちかのぶ)による、「千代田之御表(ちよだのおんおもて)※1」のうちの一点で、江戸幕府での嘉祥(かじょう・菓子を食べ、厄除招福を願う行事※2)の様子を描いた錦絵です。嘉祥の起源は諸説ありますが、室町時代には行われており、江戸時代に幕府や朝廷を中心に盛大な行事となり、民間にも広まりました。幕府では、江戸城の大広間に、2万個を超える菓子が片木盆に載せて並べられ、将軍から大名・旗本などへ下されたといいます。ただし、もらえる菓子は一人一種類のみで選べません。錦絵には、菓子を手にしているにも関わらず、後ろを気にする人物も描かれています。実際の儀礼でも、好みの品がもらえず悔しい思いをした大名や旗本がいたのかもしれませんね。 羊羹や寄水(よりみず・ねじった形の新粉餅)などが一種類ずつ片木盆に載せられている。 ※1 江戸城の代表的な儀礼や年中行事の様子を伝える大判三枚続きの錦絵シリーズ。※2 嘉祥が行われていた6月16日は、現在「和菓子の日」となっています。販売商品についてはこちらをご覧ください。
楊洲周延「千代田之御表 六月十六日嘉祥ノ図」明治30年(1897)
*画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。 楊洲周延(ようしゅうちかのぶ)による、「千代田之御表(ちよだのおんおもて)※1」のうちの一点で、江戸幕府での嘉祥(かじょう・菓子を食べ、厄除招福を願う行事※2)の様子を描いた錦絵です。嘉祥の起源は諸説ありますが、室町時代には行われており、江戸時代に幕府や朝廷を中心に盛大な行事となり、民間にも広まりました。幕府では、江戸城の大広間に、2万個を超える菓子が片木盆に載せて並べられ、将軍から大名・旗本などへ下されたといいます。ただし、もらえる菓子は一人一種類のみで選べません。錦絵には、菓子を手にしているにも関わらず、後ろを気にする人物も描かれています。実際の儀礼でも、好みの品がもらえず悔しい思いをした大名や旗本がいたのかもしれませんね。 羊羹や寄水(よりみず・ねじった形の新粉餅)などが一種類ずつ片木盆に載せられている。 ※1 江戸城の代表的な儀礼や年中行事の様子を伝える大判三枚続きの錦絵シリーズ。※2 嘉祥が行われていた6月16日は、現在「和菓子の日」となっています。販売商品についてはこちらをご覧ください。