虎屋文庫:和菓子だより
昭和初期の羊羹製造風景
このレトロな写真は、赤坂伝馬町(現・東京工場所在地)にあった虎屋の製造場で、昭和4年(1929)に撮影されました。 画面右では、職人が「エンマ」と呼ばれる大きな杓文字(しゃもじ)を使い、釜の中を混ぜています。羊羹を煉っているのでしょうか。左側の職人の前にあるのは、煉りあげた羊羹を流し入れる「舟」という容器です。羊羹が固まったあと、切り分けて錫箔(すずはく)などで包装しました。手前左側にわずかに見えるのは竹皮に包まれた『夜の梅』で、その隣の細長い金属の容器は缶詰羊羹(※)です。 ちなみに、この『夜の梅』のサイズは、現在の大形羊羹とほぼ同じです。また、缶詰羊羹は保存性が高いことから、海外向けの商品としても販売されました。 ※缶詰羊羹(昭和11年のお菓子のご案内より)
昭和初期の羊羹製造風景
このレトロな写真は、赤坂伝馬町(現・東京工場所在地)にあった虎屋の製造場で、昭和4年(1929)に撮影されました。 画面右では、職人が「エンマ」と呼ばれる大きな杓文字(しゃもじ)を使い、釜の中を混ぜています。羊羹を煉っているのでしょうか。左側の職人の前にあるのは、煉りあげた羊羹を流し入れる「舟」という容器です。羊羹が固まったあと、切り分けて錫箔(すずはく)などで包装しました。手前左側にわずかに見えるのは竹皮に包まれた『夜の梅』で、その隣の細長い金属の容器は缶詰羊羹(※)です。 ちなみに、この『夜の梅』のサイズは、現在の大形羊羹とほぼ同じです。また、缶詰羊羹は保存性が高いことから、海外向けの商品としても販売されました。 ※缶詰羊羹(昭和11年のお菓子のご案内より)
三代歌川豊国「十二月の内 小春 初雪」嘉永7年(1854)
菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。 *画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。 江戸の情景を12ヶ月に当てて描いたシリーズのうちのひとつです。「小春」は陰暦10月の異称で、現在の11月頃にあたります。ご注目いただきたいのは、左側に描かれた焼き芋屋。竈(かまど)にのせた鉄の平釜に芋を入れ、木蓋をし、蒸し焼きにしているものと思われます。うしろの籠には山盛りのさつま芋が見え、その人気がうかがえますね。なお、現在主流の石焼きが広まるのは昭和30年代以降のことです。 看板の「大々叶」は、この絵の売れ行きを願って書かれたものともいわれる。 現在でも大相撲の番付などに成功を祈願して書かれる。 注釈 参考 「十二月の内 小春 初雪」解題/抄録」(国立国会図書館ホームページ)
三代歌川豊国「十二月の内 小春 初雪」嘉永7年(1854)
菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。 *画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。 江戸の情景を12ヶ月に当てて描いたシリーズのうちのひとつです。「小春」は陰暦10月の異称で、現在の11月頃にあたります。ご注目いただきたいのは、左側に描かれた焼き芋屋。竈(かまど)にのせた鉄の平釜に芋を入れ、木蓋をし、蒸し焼きにしているものと思われます。うしろの籠には山盛りのさつま芋が見え、その人気がうかがえますね。なお、現在主流の石焼きが広まるのは昭和30年代以降のことです。 看板の「大々叶」は、この絵の売れ行きを願って書かれたものともいわれる。 現在でも大相撲の番付などに成功を祈願して書かれる。 注釈 参考 「十二月の内 小春 初雪」解題/抄録」(国立国会図書館ホームページ)
竹皮に包まれた羊羹
虎屋黒川家文書「諸方御用留帳」より 図説百科事典『和漢三才図会』(1712自序) 竹皮包みの羊羹※が見える。 虎屋で羊羹を竹皮で包んでいたことがわかる記録は、今から300年以上も前のもの。上記史料の、元禄15年(1702)の項目に「やうかん六棹 かわニツヽミ入」と見え、「かわ」が竹皮を指します。当時、竹皮は草履(ぞうり)や笠の材料、菓子の包装などに使われており、それを扱う「竹皮屋」も存在していました。 伝統的な竹皮包みの羊羹は、現在も受け継がれています。詳しくはこちらをご覧ください。 ※羊肝餅…同書では中国の文献にならい、「羊羹」は「羊肝餅」の俗語としている。ほかにも、江戸時代に和菓子の羊羹を羊肝と書いた事例はみられる。
竹皮に包まれた羊羹
虎屋黒川家文書「諸方御用留帳」より 図説百科事典『和漢三才図会』(1712自序) 竹皮包みの羊羹※が見える。 虎屋で羊羹を竹皮で包んでいたことがわかる記録は、今から300年以上も前のもの。上記史料の、元禄15年(1702)の項目に「やうかん六棹 かわニツヽミ入」と見え、「かわ」が竹皮を指します。当時、竹皮は草履(ぞうり)や笠の材料、菓子の包装などに使われており、それを扱う「竹皮屋」も存在していました。 伝統的な竹皮包みの羊羹は、現在も受け継がれています。詳しくはこちらをご覧ください。 ※羊肝餅…同書では中国の文献にならい、「羊羹」は「羊肝餅」の俗語としている。ほかにも、江戸時代に和菓子の羊羹を羊肝と書いた事例はみられる。
長野県で菓子木型の展示が開催されます
長野県で下記の展示が開催されますので、お知らせします。 「和菓子の木型でアート展」 日程:11月3日(金・祝)~5日(日) 会場:HanaLub.UNNO(上田市中央2-10-15千曲錦ビル1階) 上田市と近隣の和菓子店の菓子木型約250点を展示。また、木型製作の様子を映像とパネル展示で紹介します。実際に木型を使って落雁作りを体験するワークショップも開催予定です。 詳しくはこちらをご覧ください。 お問い合わせは上田市立美術館(0268-27-2300)までお願いいたします。
長野県で菓子木型の展示が開催されます
長野県で下記の展示が開催されますので、お知らせします。 「和菓子の木型でアート展」 日程:11月3日(金・祝)~5日(日) 会場:HanaLub.UNNO(上田市中央2-10-15千曲錦ビル1階) 上田市と近隣の和菓子店の菓子木型約250点を展示。また、木型製作の様子を映像とパネル展示で紹介します。実際に木型を使って落雁作りを体験するワークショップも開催予定です。 詳しくはこちらをご覧ください。 お問い合わせは上田市立美術館(0268-27-2300)までお願いいたします。
たばしお講座 「和の再発見 和菓子の万華鏡」のご案内
『和モダンの世界 近代の輸出工芸~金子皓彦コレクションを中心に~』(於:たばこと塩の博物館 11月3日(金・祝)~2018年1月8日(月・祝)に関連し、「たばしお講座」(全4回)が開催されます。 11月12日(日)「和の再発見 和菓子の万華鏡」の講師を虎屋文庫 中山圭子が務めます。伝統的でありながら、モダンな和菓子の魅力を、季節感や歴史に触れつつ、紹介します。 開催日:平成29年11月12日(日)講演時間:14:00~15:30終了予定料金:入館料(一般・大学生100円、満65歳以上・小・中・高校生50円)または、『和モダンの世界 近代の輸出工芸~金子皓彦コレクションを中心に~』観覧料(一般・大学生300円、小・中・高校生100円、満65歳以上150円)申し込み方法:当日開館時より、整理券を1名につき2枚まで配布会場:たばこと塩の博物館 3階視聴覚ホール定員:90名お問い合わせ:たばこと塩の博物館 東京都墨田区横川1丁目16-3Tel 03-3622-8801
たばしお講座 「和の再発見 和菓子の万華鏡」のご案内
『和モダンの世界 近代の輸出工芸~金子皓彦コレクションを中心に~』(於:たばこと塩の博物館 11月3日(金・祝)~2018年1月8日(月・祝)に関連し、「たばしお講座」(全4回)が開催されます。 11月12日(日)「和の再発見 和菓子の万華鏡」の講師を虎屋文庫 中山圭子が務めます。伝統的でありながら、モダンな和菓子の魅力を、季節感や歴史に触れつつ、紹介します。 開催日:平成29年11月12日(日)講演時間:14:00~15:30終了予定料金:入館料(一般・大学生100円、満65歳以上・小・中・高校生50円)または、『和モダンの世界 近代の輸出工芸~金子皓彦コレクションを中心に~』観覧料(一般・大学生300円、小・中・高校生100円、満65歳以上150円)申し込み方法:当日開館時より、整理券を1名につき2枚まで配布会場:たばこと塩の博物館 3階視聴覚ホール定員:90名お問い合わせ:たばこと塩の博物館 東京都墨田区横川1丁目16-3Tel 03-3622-8801
赤絵菓子袋「(為朝とだるま)」 江戸時代
菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。 *画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。 今回は、赤絵の菓子袋をご紹介します。「赤絵」とは、江戸時代、疱瘡(ほうそう=天然痘のこと)除けに用いられた赤一色の版画のこと。赤色には病を払う力があるとされ、見舞い用の菓子袋にも刷られました。真ん中に「病床からの起き上がり」を意味する達磨、左右には疱瘡を払うと信じられた魔除けの神・鍾馗(しょうき)と武将・源為朝が描かれています。達磨の迫力ある大きな目が印象的です。背景の富士山にも、「病の山を越える」の意が込められています。
赤絵菓子袋「(為朝とだるま)」 江戸時代
菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。 *画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。 今回は、赤絵の菓子袋をご紹介します。「赤絵」とは、江戸時代、疱瘡(ほうそう=天然痘のこと)除けに用いられた赤一色の版画のこと。赤色には病を払う力があるとされ、見舞い用の菓子袋にも刷られました。真ん中に「病床からの起き上がり」を意味する達磨、左右には疱瘡を払うと信じられた魔除けの神・鍾馗(しょうき)と武将・源為朝が描かれています。達磨の迫力ある大きな目が印象的です。背景の富士山にも、「病の山を越える」の意が込められています。