虎屋文庫:資料展

第59回 和菓子の不思議 お米の七変化展
お米は主食、お米を使ったお菓子といえば「煎餅」か「あられ」くらい、と思ってはいらっしゃいませんか?あまり知られていませんが、実はお米は和菓子に無くてはならない存在なのです。団子はもちろん外郎(ういろう)や最中(もなか)の皮、色とりどりの生菓子まで、お米が様々に変身する様を展示しました。 ビデオで紹介 お菓子の作り方 団子や落雁 (らくがん)、美しい工芸菓子など、米を原材料とする菓子の数々を展示し、その作り方を解説。落雁や新粉細工の製法は映像でもご紹介しました。 米粉がたくさん - 見よ、日本人の食へのこだわり 米粉には白玉粉・道明寺粉など沢山の種類があることを、ご存知でしょうか? 米粉はお菓子に使われることがほとんどと思えば、米粉の種類が多いのは、お菓子をおいしく食べるために先人が工夫を重ねてきた証と言えるでしょう。今回は代表的な米粉約10種類を展示、それぞれの製法や特徴を解説しました。すべての粉に実際に触れて、その違いを実感していただきました。
第59回 和菓子の不思議 お米の七変化展
お米は主食、お米を使ったお菓子といえば「煎餅」か「あられ」くらい、と思ってはいらっしゃいませんか?あまり知られていませんが、実はお米は和菓子に無くてはならない存在なのです。団子はもちろん外郎(ういろう)や最中(もなか)の皮、色とりどりの生菓子まで、お米が様々に変身する様を展示しました。 ビデオで紹介 お菓子の作り方 団子や落雁 (らくがん)、美しい工芸菓子など、米を原材料とする菓子の数々を展示し、その作り方を解説。落雁や新粉細工の製法は映像でもご紹介しました。 米粉がたくさん - 見よ、日本人の食へのこだわり 米粉には白玉粉・道明寺粉など沢山の種類があることを、ご存知でしょうか? 米粉はお菓子に使われることがほとんどと思えば、米粉の種類が多いのは、お菓子をおいしく食べるために先人が工夫を重ねてきた証と言えるでしょう。今回は代表的な米粉約10種類を展示、それぞれの製法や特徴を解説しました。すべての粉に実際に触れて、その違いを実感していただきました。

第58回 愛らしい雛のお道具とお菓子展
21世紀の幕開けを祝い、特別展として虎屋所蔵の雛人形と雛道具を約60年ぶりに公開いたします。 人形は、京都の老舗「丸平大木人形店」作、そして精巧な極小の雛道具は、江戸時代に名を馳せた名店「江戸池之端・七澤屋」製です。 どちらも 虎屋14代店主黒川光景(みつかげ)が、明治30年に生まれた長女の健やかな成長や家業の繁栄を願い、調えたものです。 残っていた昔の写真をもとに、7段の雛飾りにしてご覧いただきます。また、雛道具は、別 にコーナーを設け、大変珍しいとされる「木琴」や、ままごと遊びを彷彿とさせる「お膳」など、総数200点余りを展示。このほか、虎屋に残る江戸時代の雛の御用記録から再現した菓子や、様々な地方の雛菓子をご紹介致しました。 あこや・三宝 真珠を抱く阿古屋貝に見立てたもの。別名「ひっちぎり」。雛まつりがちょうど磯遊びが始まる頃にあたるため、貝尽くしなどの意匠が使われます。 遊びコーナー - 投扇興体験 投扇興は江戸時代に生まれた遊戯で、広げた扇を的に向って投げて遊びます。扇や的の落ちた形によって「源氏物語」54帖などと組み合わせた点数がついています。雛道具にもなっており、優雅な雛の遊びのひとつとされます。
第58回 愛らしい雛のお道具とお菓子展
21世紀の幕開けを祝い、特別展として虎屋所蔵の雛人形と雛道具を約60年ぶりに公開いたします。 人形は、京都の老舗「丸平大木人形店」作、そして精巧な極小の雛道具は、江戸時代に名を馳せた名店「江戸池之端・七澤屋」製です。 どちらも 虎屋14代店主黒川光景(みつかげ)が、明治30年に生まれた長女の健やかな成長や家業の繁栄を願い、調えたものです。 残っていた昔の写真をもとに、7段の雛飾りにしてご覧いただきます。また、雛道具は、別 にコーナーを設け、大変珍しいとされる「木琴」や、ままごと遊びを彷彿とさせる「お膳」など、総数200点余りを展示。このほか、虎屋に残る江戸時代の雛の御用記録から再現した菓子や、様々な地方の雛菓子をご紹介致しました。 あこや・三宝 真珠を抱く阿古屋貝に見立てたもの。別名「ひっちぎり」。雛まつりがちょうど磯遊びが始まる頃にあたるため、貝尽くしなどの意匠が使われます。 遊びコーナー - 投扇興体験 投扇興は江戸時代に生まれた遊戯で、広げた扇を的に向って投げて遊びます。扇や的の落ちた形によって「源氏物語」54帖などと組み合わせた点数がついています。雛道具にもなっており、優雅な雛の遊びのひとつとされます。

第57回 秋の味覚 栗づくし展
栗饅頭や栗鹿の子、モンブランなど和菓子にも洋菓子にも人気の栗。縄文時代には栽培されていたといわれ、三内丸山遺跡(さんないまるやまいせき)の巨大建造物に栗の木が使われるなど、古くから日本人に親しまれてきました。トチ・カヤなど木の実の菓子と共に、縄文クッキーやお節料理の栗きんとん、栗菓子いろいろを展示しました。 栗は菓子の原点 砂糖がなく甘味が貴重だった頃、菓子といえば木の実や果物を指し、なかでも甘くておいしい栗は「菓子」の代表格でした。千利休の頃には茶の湯の菓子として栗が大変好まれます。時代が下ると羊羹などに栗を入れた菓子も登場しますが中には変わり種も…。虎屋の絵図帳をもとに再現した幻の栗菓子とともに、栗菓子の歴史をたどります。 縄文時代から栗栽培? 巨大な建造物の発掘などで、縄文時代の常識を塗り替えた青森県の三内丸山遺跡。直径1メートルものあの巨大な柱が栗の木なのはご存知でしたか? しかも、栗の実のDNA鑑定から、栗が栽培されていた可能性が高いといわれています。当時の様子を模型で展示。 縄文クッキー 縄文時代の遺跡から発掘された「縄文クッキー」の材料は栗、胡桃、卵など。縄文人は栗をおいしく食べるためにいろいろ工夫していたようです。 世界の栗菓子 モンブランやマロングラッセなど、栗は洋菓子でも人気。中国や韓国にも栗を使った菓子があります。世界中に栗大好き人間がいるのでしょう。
第57回 秋の味覚 栗づくし展
栗饅頭や栗鹿の子、モンブランなど和菓子にも洋菓子にも人気の栗。縄文時代には栽培されていたといわれ、三内丸山遺跡(さんないまるやまいせき)の巨大建造物に栗の木が使われるなど、古くから日本人に親しまれてきました。トチ・カヤなど木の実の菓子と共に、縄文クッキーやお節料理の栗きんとん、栗菓子いろいろを展示しました。 栗は菓子の原点 砂糖がなく甘味が貴重だった頃、菓子といえば木の実や果物を指し、なかでも甘くておいしい栗は「菓子」の代表格でした。千利休の頃には茶の湯の菓子として栗が大変好まれます。時代が下ると羊羹などに栗を入れた菓子も登場しますが中には変わり種も…。虎屋の絵図帳をもとに再現した幻の栗菓子とともに、栗菓子の歴史をたどります。 縄文時代から栗栽培? 巨大な建造物の発掘などで、縄文時代の常識を塗り替えた青森県の三内丸山遺跡。直径1メートルものあの巨大な柱が栗の木なのはご存知でしたか? しかも、栗の実のDNA鑑定から、栗が栽培されていた可能性が高いといわれています。当時の様子を模型で展示。 縄文クッキー 縄文時代の遺跡から発掘された「縄文クッキー」の材料は栗、胡桃、卵など。縄文人は栗をおいしく食べるためにいろいろ工夫していたようです。 世界の栗菓子 モンブランやマロングラッセなど、栗は洋菓子でも人気。中国や韓国にも栗を使った菓子があります。世界中に栗大好き人間がいるのでしょう。

第56回 江戸おもしろお菓子展
黄表紙 (江戸時代の漫画)『名代干菓子山殿 (めいだいひがしやまどの)』 (1778刊) がテーマ。擬人化されたお菓子たちが、歌舞伎の舞台よろしく大立ち回りを繰り広げます。物語の全編を復刻、お菓子の実物とともに展示。お菓子なワンダーランドをご紹介しました。 お茶碗強奪事件発生!! 主人干菓子山殿秘蔵の茶碗を金平糖に奪われた、小落雁と恋人松風は、茶碗探しの旅に出ます。しかし金平糖の行方は知れず、ついに松風は吉原に身を売ることに…。果たして二人の運命やいかに? 江戸時代の菓子を復元展示 なすび餅 虎屋の安永年間 (江戸時代) の資料より復刻し、展示期間中、限定販売。 物語には30種類以上のお菓子が出てきます。タイトルが『干菓子山殿』だけあって、落雁・金平糖などお馴染みのものから、小りん、かせいたなど聞きなれないものまで、干菓子がぞろぞろ。できるだけ復元を試みました。『なすび餅』虎屋の安永年間 (江戸時代) の資料より復刻し、展示期間中、赤坂店・虎屋菓寮赤坂店にて限定販売。すべてのお菓子好きに贈る、菓子屋ならではの展示会です。
第56回 江戸おもしろお菓子展
黄表紙 (江戸時代の漫画)『名代干菓子山殿 (めいだいひがしやまどの)』 (1778刊) がテーマ。擬人化されたお菓子たちが、歌舞伎の舞台よろしく大立ち回りを繰り広げます。物語の全編を復刻、お菓子の実物とともに展示。お菓子なワンダーランドをご紹介しました。 お茶碗強奪事件発生!! 主人干菓子山殿秘蔵の茶碗を金平糖に奪われた、小落雁と恋人松風は、茶碗探しの旅に出ます。しかし金平糖の行方は知れず、ついに松風は吉原に身を売ることに…。果たして二人の運命やいかに? 江戸時代の菓子を復元展示 なすび餅 虎屋の安永年間 (江戸時代) の資料より復刻し、展示期間中、限定販売。 物語には30種類以上のお菓子が出てきます。タイトルが『干菓子山殿』だけあって、落雁・金平糖などお馴染みのものから、小りん、かせいたなど聞きなれないものまで、干菓子がぞろぞろ。できるだけ復元を試みました。『なすび餅』虎屋の安永年間 (江戸時代) の資料より復刻し、展示期間中、赤坂店・虎屋菓寮赤坂店にて限定販売。すべてのお菓子好きに贈る、菓子屋ならではの展示会です。

第55回 茶席の和菓子展
11月はお茶の正月。春に摘んだ茶を詰めた茶壺の封が切られます。この「口切り」の茶事には「亥の子餅」を用います。 このほか、菓子は新年の「初釜」や、花見、七夕など四季の趣向を盛り上げます。しきたりを大切にしながらも、趣向を楽しむ茶道の世界。菓子にも遊び心が感じられます。四季折々の和菓子で綴る茶の湯歳時記を、ご紹介しました。
第55回 茶席の和菓子展
11月はお茶の正月。春に摘んだ茶を詰めた茶壺の封が切られます。この「口切り」の茶事には「亥の子餅」を用います。 このほか、菓子は新年の「初釜」や、花見、七夕など四季の趣向を盛り上げます。しきたりを大切にしながらも、趣向を楽しむ茶道の世界。菓子にも遊び心が感じられます。四季折々の和菓子で綴る茶の湯歳時記を、ご紹介しました。

第54回 和菓子原材料展 寒天ものがたり
海から採れる天草 (てんぐさ) を主原料に、寒冷な気候により作られる寒天は、羊羹や生菓子、みつ豆などの和菓子作りに欠かせません。また、寒天は食物繊維を豊富に含むため、近年、健康食品としても注目されています。知られざる寒天の魅力を、お菓子とともに探りました。 ところてんから寒天へ 江戸時代の中頃、伏見の旅籠屋 (はたごや) 美濃屋太郎左衛門は、残り物のところてんを外に出しておいたところ、後日全く別のものに変わっているのを発見します。夜の寒さで凍結したところてんは、陽射しを受けて自然乾燥していたのです。「寒ざらし (寒さにさらす意) のところてん」が略され、「寒天」の名が誕生。こうした伝承は、今に至るまで語りつがれています。 寒天は海の恵みと寒冷な山の気候、人々の知恵の結晶 長野諏訪地方の厳寒湖の寒天製造風景 寒天は、天草を煮とかした後、枠に流し固め、厳寒の山間地方で凍結と乾燥を繰り返させて作ります。製造期間は約2週間、寒さが厳しくなる12月~2月の3ヵ月の限定生産です。長野県や岐阜県に残る昔ながらの製造方法を模型や道具、写真パネルとともに展示しました。 酢の物、刺身、煮物に使われた江戸時代 寒天といえば、みつ豆や夏菓子などのデザートが思い出されますが、江戸時代には、料理にも寒天が工夫されました。昔の料理書から、寒天を使った意外な料理をご紹介しました。 寒天がおこした和菓子革命-煉羊羹の誕生 羊羹は鎌倉~室町時代に中国に留学した禅僧が伝えた食べ物。初めは小豆、葛、小麦粉、砂糖などを混ぜ、蒸して羊の羹 (あつもの) (汁もの) に似せたと考えられていますが、江戸時代後期に、寒天を使って煉り固める煉羊羹が考案されます。上品な味わいと日保ちの良さが加わって、煉羊羹は大ヒット。以後、煉羊羹は羊羹の主流となります。展示では煉羊羹を始め、寒天が生み出した菓子の数々をご紹介しました。 食物繊維の宝庫 - 寒天の知られざる力と未来 寒天は食物繊維を豊富に含む、日本生まれのヘルシーフード。寒天ならではのダイエット効果や整腸作用、注目されつつある制がん効果の話題をとりあげます。 ほかにも、べっこう (富山)・すいぜん (石川) など、寒天を使った地方の珍しい菓子の紹介や、寒天とゼリーの違いなど。奥深い寒天の世界をご紹介しました。
第54回 和菓子原材料展 寒天ものがたり
海から採れる天草 (てんぐさ) を主原料に、寒冷な気候により作られる寒天は、羊羹や生菓子、みつ豆などの和菓子作りに欠かせません。また、寒天は食物繊維を豊富に含むため、近年、健康食品としても注目されています。知られざる寒天の魅力を、お菓子とともに探りました。 ところてんから寒天へ 江戸時代の中頃、伏見の旅籠屋 (はたごや) 美濃屋太郎左衛門は、残り物のところてんを外に出しておいたところ、後日全く別のものに変わっているのを発見します。夜の寒さで凍結したところてんは、陽射しを受けて自然乾燥していたのです。「寒ざらし (寒さにさらす意) のところてん」が略され、「寒天」の名が誕生。こうした伝承は、今に至るまで語りつがれています。 寒天は海の恵みと寒冷な山の気候、人々の知恵の結晶 長野諏訪地方の厳寒湖の寒天製造風景 寒天は、天草を煮とかした後、枠に流し固め、厳寒の山間地方で凍結と乾燥を繰り返させて作ります。製造期間は約2週間、寒さが厳しくなる12月~2月の3ヵ月の限定生産です。長野県や岐阜県に残る昔ながらの製造方法を模型や道具、写真パネルとともに展示しました。 酢の物、刺身、煮物に使われた江戸時代 寒天といえば、みつ豆や夏菓子などのデザートが思い出されますが、江戸時代には、料理にも寒天が工夫されました。昔の料理書から、寒天を使った意外な料理をご紹介しました。 寒天がおこした和菓子革命-煉羊羹の誕生 羊羹は鎌倉~室町時代に中国に留学した禅僧が伝えた食べ物。初めは小豆、葛、小麦粉、砂糖などを混ぜ、蒸して羊の羹 (あつもの) (汁もの) に似せたと考えられていますが、江戸時代後期に、寒天を使って煉り固める煉羊羹が考案されます。上品な味わいと日保ちの良さが加わって、煉羊羹は大ヒット。以後、煉羊羹は羊羹の主流となります。展示では煉羊羹を始め、寒天が生み出した菓子の数々をご紹介しました。 食物繊維の宝庫 - 寒天の知られざる力と未来 寒天は食物繊維を豊富に含む、日本生まれのヘルシーフード。寒天ならではのダイエット効果や整腸作用、注目されつつある制がん効果の話題をとりあげます。 ほかにも、べっこう (富山)・すいぜん (石川) など、寒天を使った地方の珍しい菓子の紹介や、寒天とゼリーの違いなど。奥深い寒天の世界をご紹介しました。