梅は初春、百花に魁(さきが)けて開花するため「春告草(はるつげぐさ)」の別名があります。『紅梅染』は、かさねの色目(平安貴族社会の衣装などに見られる雅びな色づかい)にちなんだ菓銘で、重なり合う紅梅の花を思わせます。
とらやの羊羹づくりは、小豆や白小豆などの豆を煮て羊羹専用の餡をつくることから始まります。その餡に煮溶かした寒天と砂糖を加えて、じっくりと煉りあげていきます。炊きあがった羊羹の煉り具合を見極めるなど、熟練した職人の目で確かめながらおつくりしています。