和菓子を知る:和菓子をめぐる小さなお話
干支菓子
干支を題材とした菓子が知られるようになるのは、明治時代後期頃とされます。菓子店では、さまざまな意匠のものが工夫され、新年用の菓子として広まっていきました。とらやでは、昭和60年(1985)の干支「丑」より社員から図案を募り、選ばれたものを商品化しています。しばらくの間は生菓子のみでしたが、平成10年(1998)の干支「寅」からは毎年羊羹もおつくりするようになりました。動物の愛らしいかたちを表したもの、たてがみや翼など特徴的な部分を生かしたものなどデザインはさまざま。毎年、御題菓子と同様に、羊羹は11月下旬、生菓子は12月後半から販売をはじめますので、お楽しみいただければ幸いです。 画像:昭和62年(1987)卯年にちなんだ生菓子。
干支菓子
干支を題材とした菓子が知られるようになるのは、明治時代後期頃とされます。菓子店では、さまざまな意匠のものが工夫され、新年用の菓子として広まっていきました。とらやでは、昭和60年(1985)の干支「丑」より社員から図案を募り、選ばれたものを商品化しています。しばらくの間は生菓子のみでしたが、平成10年(1998)の干支「寅」からは毎年羊羹もおつくりするようになりました。動物の愛らしいかたちを表したもの、たてがみや翼など特徴的な部分を生かしたものなどデザインはさまざま。毎年、御題菓子と同様に、羊羹は11月下旬、生菓子は12月後半から販売をはじめますので、お楽しみいただければ幸いです。 画像:昭和62年(1987)卯年にちなんだ生菓子。
宮中歌会始と御題菓子
毎年1月に宮中で催される「歌会始」(うたかいはじめ)は、日本の和歌の伝統を受け継ぐ大切な行事です。決められたお題に対し、天皇や皇族方、一般の詠進者の歌が披露され、次の年のお題が発表されます。 これにちなみ、12月頃から年始にかけて、多くの和菓子店で販売されるのが「御題菓子」(「御題菓」とも)です。 とらやの場合、干支菓子同様、図案を社内公募し、集まった中から羊羹1点、生菓子2~3点を商品化しており、社員にとっては、アイデアを形にする絶好の機会にもなっています。「望」、「人」、「葉」、「笑み」などお題はさまざまですが、新しい年に希望を抱かせるような、明るい意匠と銘になるよう心掛けています。 画像:平成12年(2000)のお題、干支にちなんだ菓子。羊羹は上から、御題羊羹『時』と干支羊羹『辰』。生菓子は左上から時計回りに、御題菓子『春時計』『時の詠(ときのながめ)』、干支菓子『辰のぼり』『辰』。
宮中歌会始と御題菓子
毎年1月に宮中で催される「歌会始」(うたかいはじめ)は、日本の和歌の伝統を受け継ぐ大切な行事です。決められたお題に対し、天皇や皇族方、一般の詠進者の歌が披露され、次の年のお題が発表されます。 これにちなみ、12月頃から年始にかけて、多くの和菓子店で販売されるのが「御題菓子」(「御題菓」とも)です。 とらやの場合、干支菓子同様、図案を社内公募し、集まった中から羊羹1点、生菓子2~3点を商品化しており、社員にとっては、アイデアを形にする絶好の機会にもなっています。「望」、「人」、「葉」、「笑み」などお題はさまざまですが、新しい年に希望を抱かせるような、明るい意匠と銘になるよう心掛けています。 画像:平成12年(2000)のお題、干支にちなんだ菓子。羊羹は上から、御題羊羹『時』と干支羊羹『辰』。生菓子は左上から時計回りに、御題菓子『春時計』『時の詠(ときのながめ)』、干支菓子『辰のぼり』『辰』。
かさねの色目
「かさねの色目」※とは、平安貴族社会の衣装などに見られる雅びな色づかいのことです。 十二単(じゅうにひとえ)で知られるように、平安時代、身分の高い人々は着物を何枚も重ね、その配色を楽しんでいました。色の組み合わせは、白と紅で「雪の下」(雪に埋もれた紅梅を表現)、青と紫で「松重」(常緑の松を表現)というように、季節の植物にちなんだ名前がつけられました(色の組み合わせには諸説あり)。 『源氏物語』にも、光源氏が女君たちに贈る正月の晴れ着を、おのおのの性格や容姿にあわせて選ぶ場面がありますが、当時の人々にとって衣装の色づかいは大変な関心事だったようです。 とらやには、かさねの色目にちなんだ菓子がいくつかあります。菓銘と色合いから四季の情景を想像してお楽しみください。 ※ かさねは、重(表裏の配色)、襲(重ね着の配色)の二つ表記があり、それぞれ意味合いが異なる。菓銘には両方の表記が見られる。 画像:「かさねの色目」にちなんだ菓子。右上より時計回りに『重絹』『紅葉重ね』『松襲』『染絹』。
かさねの色目
「かさねの色目」※とは、平安貴族社会の衣装などに見られる雅びな色づかいのことです。 十二単(じゅうにひとえ)で知られるように、平安時代、身分の高い人々は着物を何枚も重ね、その配色を楽しんでいました。色の組み合わせは、白と紅で「雪の下」(雪に埋もれた紅梅を表現)、青と紫で「松重」(常緑の松を表現)というように、季節の植物にちなんだ名前がつけられました(色の組み合わせには諸説あり)。 『源氏物語』にも、光源氏が女君たちに贈る正月の晴れ着を、おのおのの性格や容姿にあわせて選ぶ場面がありますが、当時の人々にとって衣装の色づかいは大変な関心事だったようです。 とらやには、かさねの色目にちなんだ菓子がいくつかあります。菓銘と色合いから四季の情景を想像してお楽しみください。 ※ かさねは、重(表裏の配色)、襲(重ね着の配色)の二つ表記があり、それぞれ意味合いが異なる。菓銘には両方の表記が見られる。 画像:「かさねの色目」にちなんだ菓子。右上より時計回りに『重絹』『紅葉重ね』『松襲』『染絹』。